前回は、アクティブとインデックスの特徴をご紹介しました。今回は、私の投資経験や業務経験を踏まえ、投信のポートフォリオの作り方の方法を述べたいと思います。ポートフォリオ構築には様々な手法があり、この方法がベストと申し上げるつもりはありませんが、比較的、簡単で応用が可能と思っていますので、ご参考にして頂ければ幸いです。
結論から、「世界株式のインデックス」をベースに、期待リターンの高い「テーマ型のアクティブ」や「新興国株式(インデックス、アクティブ)」、相関の低い「ゴールド」等の組み合わせを行うとともに、常に現金ポジションを持つのが好ましいと思います。これは、iDeCoや積立NISAでも活用できます。
「世界株式のインデックスファンド」はコストが低く、新興国を含めたグローバルの経済成長の果実を獲得できる資産です。この数年、米国を中心とした先進国株式優位の局面が続いてきましたが、新興国株式も侮れません。大型株/小型株、先進国株/新興国株、割安株/成長株と対比されますが、どちらが良いとは言えません。外部環境や市場環境によって、延々と変化してゆきます。また、資本主義経済である以上、人間は経済的な向上心を持ちより良い生活を目指します。このこと自体が世界の経済成長を促し、企業の成長につながり、結果、株式投資が報われやすい背景となります。
長期投資を前提とすれば、基本となる投資対象は世界株であると思います。リスクを取りたくない方は、投資金額、全金融資産に対する投資比率を下げることで調整は可能です。今後もリーマンショックのような局面が発生することは否定できません。その際には、何回かに分けて追加投資を行うことが有効です。精神的に非常に苦しい局面ですが、私の場合、リーマンショックの際、追加投資により取得コストを下げることで早めに含み損の状態から回復することができました。また、20%程度の株式の調整(下落)は、毎年、発生することがあると思っていましょう。その際には、追加投資できるように余力の現金と投資できる精神状態であることが肝要と思います。
また、「世界株式のインデックス」に追加する資産ですが、ここで「新興国株式(インデックス、アクティブとも)」や「テーマ型株式(アクティブが多い)」、「ゴールド」等を検討したいと思います。本来であれば、株式と逆相関の値動きをする債券も検討したいところですが、現在の世界的な金利情勢の中で、今後、金利上昇が起こり得る前提で考えると得策ではないように考えます。敢えて言えば、短期債に投資をする債券ファンドであれば候補かなと思います。テーマ型株式ファンドに関しては、基本的に「長期的に成長するテーマ」であることとコンセプトを納得できる投信を選んでください。得てして、投信の設定時期には、投資対象の株価が高い水準にあることが多いのも実際のところです。金融機関から勧められる商品をその都度、購入するのは、必ずしも適切ではないかもしれません。
投資タイミングに関しては、面倒かもしれませんが、投資時期を分けて投資するのが取得コストの安定につながると思います。結果的に右肩上がりが続けば、最初に全額投資した方が良いパフォーマンスとなりますが、下落リスクに備えて、資産分散だけでなく、時間分散の効果もご記憶ください。当初の投資金額は少な目にするのも方策のひとつです。実際の基準価額の値動きと指数(日経225等)が思ったように連動しないケースも多々あります。納得できる値動きのファンドは追加投資の検討ができますが、そうでない場合は、別のファンドを検討しましょう。基準価額が下落した時に、売却すべきか、追加投資すべきかを判断する拠り所は、納得性です。インデックスの場合は、指数に連動するので考慮する必要はあまりありませんが、アクティブの場合は、組み入れ銘柄によっては指数と異なる値動きが発生します。
最後に投資比率に関してですが、年齢、リスク許容度、ご家族の状況等で調整が必要と思いすが、「世界株式インデックス」40%、「新興国株式、テーマ型アクティブファンド」20%、「ゴールド」10%、「現金」30%というイメージです。経済環境によって、比率の調整を行えればより効果的です。資産の入れ替えに伴う販売手数料は考慮していません。「ゴールド」は、信用不安等の際に買われるケースが多く、そのような際に「ゴールド」を一定割合、売却し株式にシフトする戦略です。また、現金ポジションは、保有ファンドが含み損になった場合、追加投資の原資となります。債券ファンドに関しては、金利水準が高くなってから検討したいと個人的には感じています。
結論として、アクティブファンドとインデックスファンドの特徴をふまえ、コアは世界株式のインデックスファンド、サテライトにアクティブファンドという位置づけで良いと思います。
次回は、その3として、アクティブファンドの意義に関して、コメントしたいと思います。
言わずもがなですが、投資に関するご判断は自己責任にてお願いします。
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