今回は、個人的に最近、購入した投信の話、投信の買い方や位置づけについて私見をコメントします。
あらかじめですが、
今回も、脱線、余談が多いのでご了承ください。
NISA登場以来、投信も一般的な商品となってきつつあります。
米国個別株投資も一般化しつつある印象です。
早速、脱線しますが、
まず、米国個別株投資と投信のコストについて考えてみます。
例えば、米国個別株投資をするにあたり、楽天証券では、為替手数料(円→米ドル、米ドル→円)が0.25円、かかります。米ドル/円の水準が140円とすると、片道、約0.179%のコストとなります。ドル転の上、円転すると、倍の0.357%程度のコスト負担になります。米国株の売買手数料は、金額によって異なりますが、一般的な水準(売買代金:2.22米ドル~4,444.45米ドル)の範囲だと0.495%です。買付と売却の双方を考慮すると、倍の0.99%になります。仮に、円から米ドルにして、米国株の売買手数料を概算すると、0.179%+0.495%=0.674%程度のコストが生じます。また、米国株を売却し、円転した場合は、同様に0.674%程度のコストがかかり、往復では1.35%程度のコストがかかる可能性があります。もちろん、米ドルで保有し、米国株の売買をすれば、為替手数料はかかりません。
魅力的な企業が多い、米国株式市場ですが、上記のことを考慮すると、それなりのコストがかかることがわかります。日本株の場合は、現物取引の場合、金額や取引種別によって異なりますが、0.05%程度のコストで済みますし、信用取引の場合は、一定の条件下では、金利負担のみで売買手数料がかからないケースもあります。
これらを踏まえると、米国株投資の場合、投信のインデックスファンドの方がコスト的な優位性が高いように感じています。(ご存じの通り、信託報酬が0.2%以下のものもあります)もちろん、投信の場合も信託報酬と別にその他費用(監査費用や法定書類作成費用)の負担が生じますが、純資産が大きければ、大きな負担とはなりません。(基本的に定額のため、純資産が大きいほど、負担率は減じます)
視点を変えると、上述の通り、日本株投資の場合、株式委託手数料(売買手数料)は低くなってきており、保有期間中のコストはかかりません。と言うことは、日本株アクティブファンドでは、よほど良い商品で無いとコスト面では、投資する価値に疑問符がついてくるかもしれませんね。
一応、念のため、申し上げると、投信は、信託報酬やその他費用が保有期間中、継続してかかります。ネット金融機関での購入であれば、販売手数料は基本的にかかりません。株式の場合は、売買時に委託手数料がかかりますが、保有中は負担するコストはありません。米国株の場合は、別途、為替手数料がかかります。
個人的に、米国個別株式も日本個別株式も投信も保有していますが、一応、コストのことも考慮に入れておきたいところです。
さて、私の最近の投信投資履歴ですが、
以前より、iDeCo(確定拠出年金)では、「全世界株式インデックス」、「全米株式インデックス」、「ゴールドファンド(ヘッジあり)」を投資し、継続保有しています。知人の話を聞くと、銘柄入れ替えをしている方も多いようですが、私の場合は、超長期投資の位置づけと考え、放置しています。本当に大きな変動の際は、リバランスをするつもりではありますけれど。
仮に取得価格を下回るケースに備えるために預金も保有していますね。
因みにゴールドファンドは、地政学リスクが高まる場合やインフレが進行する場合、信用不安が生じる場合などに備えて保有しています。
超長期で投資する場合は、世界経済や米国の成長に連動するオーソドックスな商品、この場合、全世界株式やS&P500が妥当だと捉えています。それに加えて、タイミングを見て、他の商品を検討するのが私のスタンスです。
金融機関勤務していると、様々な投資制限があり、特に現物株式は規制が厳しかった記憶があります。一方、投信に関しては、比較的、制約がなかったため、それなりに研究しました。試しに、色々なアクティブファンドに投資したこともありました。
最近は、個別株の対応を中心にしているので、新しいアクティブファンドにあまり関心がなくなりました。もちろん、パフォーマンスが良いファンドや人気のあるファンドの場合は、組入れ銘柄やFMのコメントを見て参考にしています。
さて、最近、私が投資したファンドは、「インド株のインデックスファンド」、「SOXのインデックスファンド」、積立で「NASDAQインデックスファンド」に投資しています。また、投信ではありませんが、東証上場のマザーズETFも投資しました。
「インド株インデックスファンド」は、今まで、インド株は高コストのアクティブファンドしか、存在していなかったので、非常に魅力的に感じます。良く議論されますが、アクティブファンドがインデックスを常にアウトパフォームするかと言えば、かなり、難しいと言わざるを得ません。アクティブの方が信託報酬も高いので、どうしても基準価額ベースのパフォーマンスでは、インデックスファンドの優位性は否めないと思います。
本当に優れたアクティブファンドであれば、この限りではありませんが、特にインド市場のような成長市場の場合、市場平均近辺のインデックスファンドで十分と考えています。
「SOX(半導体株指数)インデックスファンド」に関しては、個人的に半導体市況が今年、底を打つ可能性が高いと考えていたため、魅力的に映ります。個別株では、エヌビディアやAMDなどの株価が既に大きく上昇しましたが、AI関連の需要増加などから、今後も成長が加速すると考え、打診買いをしてみました。
「NASDAQインデックスファンド」は、一昨年、利上げ懸念から米国のNASDAQ指数が軟調だった頃から積立を開始しました。当分の間、継続して積立をするつもりです。
マザーズETFは、海外投資家の投資で日本の主力株が大きく上昇した一方、小型株は出遅れており、キャッチアップを期待して投資してみました。中小型株は、玉石温厚なのと最近上場した銘柄も多く、適切な投資判断が難しいといった背景からETFを選択してみました。いつまで、保有するかは未定です。
「最近、買った投信の話」と言いながら、
ファンド数も少なく、あまり、参考になりませんね。
一方、昨年、一昨年のNISA枠では、思いつきで海外小型株のアクティブファンドに投資してみましたが、結果は、円安約効果にも関わらず、今のところ、残念な結果になっています。
一部、インデックスファンドにも投資してみましたが、こちらは一定の成果になっています。
さて、投資手法の話になりますが、私の場合は、投信への投資は、何回かに分けてすることが多いですね。実際のパフォーマンスを感じて、違和感がないかどうか、また、株式市場が弱含んだ際に追加投資を行うようなアプローチです。従って、想定した金額に至るには、半年程度はかかっています。株式市場が上昇局面では、最初に一括投資した方がパフォーマンスは優れるのですが、実際に長い間、お付き合いするファンドとしてふさわしいかどうかの確認に時間をかけています。
私の基本的な考え方は、S&P500などのインデックスをメインに据え、それに加えて、特徴のあるインデックスファンドやアクティブファンド、個別株に投資するスタンスです。
また、小型株投資に関しては、特に米国の場合は、情報量が乏しく、リアルタイムでも情報収集が困難なため、投信の方に優位性を感じます。銘柄選択に関しても、現地の情報と比べると、日本に居住していると相当程度、遅れている可能性もあり、将来のお宝銘柄が沢山、あっても真偽を判断する材料が乏しいのが切ないところです。で、あれば、小型株中心のインデックスファンドやアクティブファンドでカバーしてみたいと思っています。
また、別の話ですが、
以前、機関投資家向けの仕事をしていた頃、金融機関の運用部門の方と投信について議論したことを思い出しました。具体的には、「どんな投資対象なら投信を選ぶのか?」というものです。機関投資家の場合は、様々な金融商品に低コストで投資可能な立場です。その上で、先方の認識では、「直接、投資ができない、または、しにくい資産」、「直接投資をするよりも、人件費を含めた総コストが低い商品」、「運用ノウハウの獲得が見込める商品」というような回答だったと記憶しています。至極、ごもっともな見解ですね。
来年からNISAも新たな制度としてスタートします。
主要投資対象のひとつである投信のコストや特徴も正しく把握しておきたいものです。
次回は、「零細投資家、2023年前半を振り返る」の予定です。
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