日経平均が上がるのに私の株は上がらない

 

晴れて、先日、日経225は史上最高値を更新しました。

1989年の年末高値をようやく上回り、40,000円の大台も視野に入りつつあります。

 

ところで、年初来(2024年年初から)の個別銘柄やセクター(業種)のパフォーマンスを見ると、明暗がハッキリと分かれます。

 

日経225(日経平均株価指数)は、

2023年末、33,464.17円でしたが、2024年2月22日には、39,098.68円となり、約16.8%の上昇となりました。一部の大型グロース株が牽引して指数を押し上げました。一方、TOPIXの上昇率は、同期間で、約12.4%でこちらは、最高値を更新していません。

上昇の背景として、色々、言われていますが、外国人買いの存在が大きかったと言えます。

特に、中国への投資資金を日本にシフトしたとも指摘されていますね。

 

私を含めて、日経225が上昇していても、自分の持ち株が上昇しないという認識をお持ちの方も少なくないと思います。

 

以前のブログでも紹介しましたが、日経225はやや偏った株価指数です。年金や投資信託のアクティブ運用に関しては、ベンチマークとしてTOPIXがメインとなっています。

メディアでは、日経225について報道されるケースがほとんどですが、株式市場全体を表しているとは言いがたい面があります。一部の値がさ株(高株価)の影響が大きく、バランスが必ずしも良くない指数とも言えます。

 

 

日経225の特徴

 

■対象銘柄が東証プライム市場の225銘柄に限定されていること

■株価が高い(値がさ株)の指数への影響が大きいこと

■時価総額の大きさは必ずしも、指数への影響度合いが大きくないこと

■ファーストリテイリング(ユニクロ)(9983)、ソフトバンクG(9984)、アドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)の4銘柄の影響度合いが特に大きいこと

■日経225先物との相互作用が大きいこと

 

 年初から日経225を牽引してきたセクター(業種)は、半導体、商社、自動車などに限定されています。指数が上昇しても、それらのセクターに属する銘柄だけ(厳密に言うと225採用銘柄)が上昇に寄与し、残りは置いてきぼりという現象が起きました。外国人買いが一部に集中した結果とも言えます。

 

 また、株式先物との関係も見逃せません。株式市場は、先物と現物が存在しますが、先物主導で株式市場が上下することが少なくありません。背景は、大きな資金の受け皿として、先物市場は機能しており、外国人投資家や機関投資家がまとめて売買し、その後で反対売買を行い、現物を決済すると言った投資行動も見られます。

結果として、日経225寄与度の高い銘柄が上昇局面ではより上昇し、下落局面ではより下落することになります。

 

では、先程の日経225の年初来騰落率と個別銘柄の騰落率を比較してみます。

年末値と2月22日の終値の比較です。

 

■日経225:16.8%

■ファーストリテイリング(9983):23.7%

■ソフトバンクG(9984):39.8%

■アドバンテスト(6857):47.8%

■東京エレクトロン(8035):44.8%

 

今年に入って、2ヶ月足らずですが、日経225以上の強烈な上昇ですね。

 

逆に冴えない銘柄も紹介してみます。

再三、繰り返しになりますが、日経225は最高値更新、年初来で+16.8%です。

必ずしもワーストという意味では無く、知名度の高めの銘柄を挙げてみます。

 

◇メルカリ(4385):▲20%

◇住友化学(4005):▲9%

◇エーザイ(4523);▲12.7%

◇ヤマトHD(9064):▲9.8%

 

日経225が最高値更新のタイミングでこのパフォーマンスは切ないものがありますね。

 

 前述の通り、株価指数には各々、特徴があり、日経225よりは、TOPIXの方がまだ、全体を表現していると言えると思います。端的に言えば、現状、日経225は、グロース(成長株)の大型株、TOPIXはバリュー株(割安株)を代表している傾向があります。

 

米国との相関で言えば、最近の傾向として、日経225は、NASDAQ指数やSOX指数(半導体株指数)に連動性が高く、TOPIXはS&P500と連動しています。

 

また、米国株価指数も昨年後半から堅調ですが、個別銘柄の年初来の騰落率を見ると、エヌビディア(NVDA)が58.6%の上昇を見せている一方、アップル(AAPL)は、▲4.2%で、テスラ(TSLA)も▲15%超です。

 

指数だけを見ていると、見誤ることもありそうです。

 

今年前半は、半導体株主体の株価上昇でしたが、高配当株、バリュー株主導で上昇する局面もあります。

但し、投資主体が外国人投資家の場合、日本の株式市場も米国市場のトレンドが反映されます。年初からは、米国のエヌビディアを始めとする半導体株上昇もあり、国内のバリュー株には資金が入りにくい環境だったと感じています。外国人投資家比率が40%程度と言われている昨今、その存在を無視できませんね。

 

仮に日経225主導の株高展開が今後も継続するとした場合、策はないのでしょうか?

タイムマシンで年初に戻れたら、という架空のお話ですが、

 

■日経225連動のETFやインデックスファンドに投資する→勝てました

■日経225の寄与度の高い銘柄(特に半導体株や自動車)に投資する→大勝ちしました

■流れが来るのを待つ→やや残念です

■日経225上昇などの報道を気にしない→意外と良いかもしれません

 

 今後の希望としては、大型グロース株主導で上昇した後、循環物色でバリュー株や中小型株への資金シフトがあると、上昇相場が長続きするように思っています。

 

2024年が始まって、まだ2ヶ月ですが、特に深い考え無く日経225のインデックスファンドやETFに投資した方が、一生懸命、研究した銘柄よりも高パフォーマンスだったと言うのは、切ないものがあります。

 

あくまでも、現在の株価上昇は、短期的な需給要因で偏りのあるもので、中長期的には、本質的な企業価値に株価は近似すると勝手に信じています。

 

 

次回は、「空き家問題を考える」の予定です。

 

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