今回も投資格言を取り上げます。
今回は、「国策に売りなし」という古くからある格言です。
国の政策に関連したセクターや銘柄は上昇しやすいという意味合いです。
私は、早々に現物で利益確定することや空売りの対象にするには注意するようにという理解をしています。
確かに国が予算を組んで、経済政策を実行していくという面では、株価に追い風が吹くことが期待できます。最近では、次世代半導体や防衛関連、宇宙関連などが取り上げられました。昔から、このような銘柄は、国策銘柄と呼ばれ、人気化し株価が大きく上昇することも少なくありません。
但し、
国策自体が正しい政策で、且つ、持続性があれば良いのですが、そうでない場合も考えられます。無責任に放言すれば、国策自体が間違っている場合、「国策に売りなし」という格言が否定されることにもなりかねません。経済合理性に欠ける政策の場合、どこかで政策自体が破綻することも考えられます。その場合、株価上昇も短命で終わってしまいます。
また、政策によっては、米国や中国、など他国との関係も考慮しなければいけません。各国の利害が絡み、高度な外交努力と利害調整が前提になるケースも想定されます。
現状で言えば、半導体分野で米中が対立しており、日本の半導体企業も対中輸出の制約を受けるとの報道もあります。また、中国が日本に対して、対抗措置を検討とも言われています。
国同士の利害や牽制が絡むと、民間企業レベルでは対応が困難になってしまいます。
国策銘柄の多くの場合、一時的にせよ、人気化するケースが見られます。
株価上昇に持続性が無いケースも多々あり、高値で掴んだ場合は、厳しい結果が待っています。政治家の一時的な人気取りのための政策などに翻弄されないよう注意ですね。
また、同じ政党でもトップが交代すると、政策がガラッと変わるケースも見られます。
これまた、要注意です。
海外に目を移すとどうでしょうか?
日本国内と同様のリスクは考えられますが、米国の場合などは、一旦、方向性が決まると持続性があるように感じます。どの国も同様だと思いますが、事前に想定されるリスク管理や政策実効性、予算の確保などを綿密に分析した上で、公表されていると思います。個人的な印象ですが、微調整があることは前提ですが、大統領選挙後、ハッキリとした経済政策が明示されると思います。我々にとって、良いかどうかは、別としてですが。
「国策に売りなし」という投資格言は、至極、ごもっともだと思います。
が、上記の通り、鵜呑みにすると痛い目に会う可能性も念頭において置きたいものです。
最後におまけで、
2024年9月に開催されるFOMC(米国金融政策決定会合)について私見を述べてみます。
インフレの沈静化、景況感の後退などから利下げが確実視されています。
現状、0.5%の利下げ確率が15%程度、0.25%の利下げ確率が85%程度とのことです。
個人的な見解として、為替、株価に対する影響を考えて見ます。
◆利下げ無し
株価は既に利下げを織り込んで推移していますから、利下げが無いと、失望から下落が予想されます。また、為替に関しては、金利差縮小が否定される訳ですから、円安米ドル高になると思われます。日本株は、円安のプラス面と米株安のマイナス面の影響から、ややネガティブになるかもしれません。
◆0.25%利下げ
メインシナリオです。基本的には、大きな波乱は無いと思いたいところです。確率は低いものの、0.5%利下げの見通しもあることから、円安米ドル安に振れる可能性も考えられます。米株に対しては、ややポジティブな気がしています。日本株は、円安に振れれば、ポジティブ、後は、米株次第の印象です。
◆0.5%利下げ
どんな展開になるのか、難しく感じます。大幅利下げが好感され、グロース株中心に株価上昇する可能性がある一方、景気悪化をFRBが心配しているという捉え方をされると株価は下落方向になるかもしれません。また、為替は、金利差縮小から急速に円高米ドル安に向かう可能性が高まりますね。日本株には、為替面でネガティブ、米株動向次第ですが、トータルではネガティブな展開になる可能性が高そうです。
日本時間では、来週、9月19日(木)の早朝に結果が判明します。
次回は、「経済指標や企業決算の捉え方」の予定です。
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