投資系YouTubeを見て思うこと

 

今回は、投資系YouTubeを見て感じることについてコメントします。

既存のメディアの存在感が低下し、YouTubeをはじめとするSNSの存在感が増しています。

 

とは言え、それらは、玉石混交で、時に不要な不安を煽る投稿も多いように感じています。

 

先日、自民党総裁選挙で石破さんが勝ちました。

過去に同氏が、増税や金融所得課税強化、金利正常化を目指すなどコメントがあったことから、為替は円が急騰、夜間の株式先物は急落しました。

選挙が金曜日だったこともあり、週末、各種YouTubeの投稿を見てみました。

 

が、「日本は終わった」とか、「日本株の未来は無い」、「月曜日は大暴落」というようなコメントやサムネイルを多く見かけました。客観的に考察すると、決戦投票の前に、高市さん期待で円安、株高が進行し、決戦投票後、期待が剥落し、逆流した印象です。正確には、期待で上昇した分が一時的に無くなったと捉えています。

 

 総裁選前の木曜日、金曜日に高市さん期待で株価が上昇しましたが、個人的には、その分が剥落しても、日経225は、38,000円前後になるであろうと推測しました。先物の下落よりも、実際の指数はややマシな下落率でしたね。確かに、海外投資家が日本の政策運営に失望して、断続的に売り越し基調が続く可能性はあり得ますが、あくまでも可能性の範囲だと思っていました。

 

 石破さんの経済運営に対する不安が指摘されましたが、岸田首相の時代でも、日経225は、一時、42,000円を超えて新高値を更新しました。また、石破さんの過去のコメントは、自民党の一議員の立場であって、政策運営責任者の立場ではありません。企業の国内回帰を期待する一方、円高を容認するような矛盾する発言もあったようですが、今後はロジカルな発言を内外にされると期待しています。

 

話を投資系YouTubeに戻します。

 

ザックリした印象では、YouTuberのカテゴリーとして、投資家系、企業系、公認会計士や税理士といった専門職、エコノミストやストラテジストが挙げられます。

 

特徴や印象をコメントしてみます。

 

まず、投資家系ですが、玉石混交ですね。

当人がどんなキャリアなのか、実績はどうなのかなど、不明なことも多いです。

一度、覗いてみて、私が避ける方の特徴は以下の通りです。

時間の無駄は省きたいですから。

 

◆自身がうまくいった投資手法をことさら、強調する方

◆サムネイル(タイトル)で煽るものの、内容がロジカルで無い方

◆株価の上昇局面では買い煽り、下落局面では売り煽りをする方

◆個別銘柄や相場見通しをかなり断定に近い発信をする方

◆情報ソーズがまちまちで、切り貼りしているような方

 

 株式市場に係わる業務を行っている企業のスタッフは、金融商品取引法に則って、情報発信を行っています。YouTuberの方が、当局に摘発されたという印象はありませんが、結構、危ない発信をされているケースがあるように感じます。

また、売り煽りをした後のフォローや反省が少ないのも、何とも言えません。

個別銘柄についてコメントされている方も見られますが、金融機関のアナリストのように企業訪問をしたり、機関投資家回りをしたりしているとは思えません。何らかの情報の受け売りに過ぎないように感じています。

 

逆に投資家系で好印象なものは、以下の通りです。

 

◇見逃しがちなマーケット情報を発信している方

◇気になる銘柄として、個人的に注目している銘柄を客観的に発信する方

◇ロジカルに経済指標を分析している方

◇市場の見方を冷静に判断されている方

 

 内外の経済指標など見逃したものをまとめて発信してくれる方は助かりますね。

事実を中心に客観的な視点で発信する方と主観的な話にこだわる方に分かれている印象です。

 

いずれにしても、私はそれらの発信を鵜呑みにしません。

 

そういう考え方、捉え方があるのだというレベルで解釈しています。

もちろん、同意する見方、意外な銘柄を調べるキッカケを発信してくれる方もいますけれど。

 

企業系YouTubeはどうでしょうか?

 

 前述の通り、金融機関などの企業は金融商品取引法に則って業務をしなければいけません。

YouTubeでの発信も、事前に社内のコンプライアンス部門のチェックを受けていると思われます。従って、当人が本音を言いたくても、コンプラ上の制約があって、言えない場面が少なく無いと思われます。以前、私も金融機関勤務の際、資料を作成するのに、相当なコンプラチェックがあった記憶があります。

とは言え、企業系の場合は、よく言えば、客観性のある発信をしますから、安心して聞けるメリットはありますね。但し、新しい発見は限定的とも言えます。

 

専門職の方については、あまりチェックしていませんが、印象として

 

◆会計や税務の専門家であっても、金融市場に詳しいとは限らない

◆企業の財務などミクロの視点に偏りやすい

 

専門性が高いので、特定の分野について話を聞くには良いのかもしれません。

 

エコノミストやストラテジストの方

 

 これらの方は、自社のチャネル以外にも登場されるケースが多いように思います。

テレビにも出演されるケースがありますが、テレビと異なり、本音に近い話も聞けることがあり、私は、特定の方の話を聞くようにしています。

但し、マクロ経済が中心になることが多いため、個別企業の話の深掘りは難しい印象です。

 

どんなバックグランドの方でも参考になる方はいらっしゃいます。

 一応、話を聞いてみて、発言に一貫性がある方や見通しが異なった場合、それを認め、背景を説明してくれる方などが信頼できると思います。

個性かもしれませんが、「上から目線」のような対応をされる方もいますね。

内容や分析が必要十分であれば、それはそれで良いのかもしれませんけれど。

 

最後に別の話題です。

証券会社の企画部門の知人が嘆いていましたが、詐欺まがいの投稿(SNS全般)が増加しているようです。口座開設は、正規のHP、または店頭で対処すべきだと思います。

 

おいしい話は、金融マーケットには存在しません。

「私の成功体験を特別に公開します」などは、避けるべきだと思います。

仮にその方が成功していたとしても、それを他人に教えるメリットがわかりません。

事実かどうか別としても、経歴や保有資格などの情報が無ければ、信用できるかどうか判断できませんね。

 

色々、コメントしましたが、有用なYouTubeも少なくありません。

が、時間の無駄のようなものが正直、多数だと感じます。

投資経験が豊富な方が参考にしているチャネルなどを聞くのも良いかもしれません。

 

次回は、「新興国投資の留意点」の予定です。

 

当ブログは、毎週金曜日に更新予定です。

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いつもながら、投資に際しましては、自己責任でお願いします。

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