今回は、住宅ローンに関する話題です。
固定金利が良いのか?変動金利が良いのか?という議論がよくあるようですね。
私は、基本的に金利の見通しに依存すると思っています。
定期預金などの資産運用にも通じるところがあるますね。
今後、金利が上昇する局面と想定すれば、現在の低金利で資金を長期間固定するよりは、短期で金利上昇のメリットを享受した方が好ましいと言えます。長めの定期にするよりは、短い定期をつないでいくか、普通預金で金利上昇を間接的に享受するのが妥当かと思います。
逆に、現在が高金利で、今後、金利低下が想定される場合、現在の金利でできるだけ長く固定するのが妥当です。短期の定期預金や普通預金では、金利が徐々に低下することでリターンが低下していきます。
さてさて、住宅ローンの話です。
現在まで、日本銀行のゼロ金利政策で、長期に渡り、低金利が続いています。
昨年から利上げがありましたが、現状では、変動金利の方が固定金利よりも金利が低い状態です。今時点では、変動の方が低いですが、金利環境次第では、固定金利よりも高くなることも考えられます。
基本的に住宅ローンは、短期プライムレートが見直されると、影響を受けます。
言い換えると、日本銀行の金融政策(利上げ、利下げ)によって、時間差はあるものの、住宅ローン金利に反映されます。特に住宅トーンは、35年ローンに限りませんが、期間が長いため、過去の低金利政策があったからといって、将来も低金利が続くとは限りません。
一般的には、現状、変動金利の方が低いので、こちらを選ぶ方が多いようです。
但し、今後、日本銀行の利上げが続くと金利は高くなります。0.1%の金利上昇でも、期間が長いので、月々の支払額増加はバカになりません。
金融機関によっては、固定金利を選択したとしても、全期間固定ができないケースもあるようです。とは言え、現在の金利水準は、過去と比較すると低いことは間違いありません。
従って、教科書的に言えば、低金利の時に固定金利で確定することで、支払い利息の増加を抑えることができます。私ならば、変動よりも多少、金利水準が高くても、固定金利を選択すると思います。
仮に、現在、変動金利を選択するとすれば、更なる利上げがあった際に、現預金で繰り上げ返済を見据えると思います。逆に繰り上げ返済する余力がないなら、固定金利一択です。
金融機関に勤務する知人の話によると、最近の住宅ローンを組む方々は、かなり、カツカツのローンを組み方が多いようですね。頭金が少ないケースや収入と返済のバランスに余裕があまり無いケースが多いようです。変動金利の月額返済額と賃貸の支払金額を比較して、変わらないなら、住宅を取得しようという感覚が多いようですね。
賃貸と異なり、住宅を保有すると、固定資産税や損害保険がかかりますし、マンションだと、更に修繕積立金や管理費の負担も生じます。ローンの返済以外のコストが経常的にかかることも十分、認識しておきたいものです。
言わずもがなですが、住宅ローンは、長期にわたるため、収入と支払いのバランスが重要になります。自身の保有する現預金や収入に対して、背伸びして、高い不動産を選択すると、先々、非常に厳しい展開になるリスクがあります。新築の高層マンションに人気があるのは、事実ですが、転職や家庭環境の変化、収入減少のリスク、金利上昇のリスクなども視野にしれておきたいものです。仮に目一杯、ローンが組めるからといって、高額な物件を優先すべきでは無いと考えます。繰り上げ返済の余力が無いのに頭金無しのフルローンを組むような戦略は、ゾッとしますね。
変動金利の方の金利が現状は低いため、支払い負担が少なくて済むと言う判断は、一概に間違っているとは言えません。が、将来、金利が上昇しても支払い負担に耐えられるかというシミュレーションも大事ですね。過去には、日本でも政策金利が6%以上の時代もありました。中には、住宅ローンの金利が上昇すると、金融機関の方に不満をぶつける方もいるようです。これは、日本銀行の金融政策の影響であり、文句を言うならば、日本銀行の方々や政治家に言うべき話だと思います。
前述の通り、日本銀行は、昨年から利上げを行っており、最近のコメントを見ると、今後も利上げをしたいスタンスが伝わってきます。個人的には、コストプッシュ型のインフレの場合、利上げ効果は限定的で、景気を冷ます副作用の方が大きいように感じています。
日本の雇用環境も変化しており、定年までひとつの企業に勤めるケースばかりではありません。収入の増減も考えられます。最近の日産自動車の例をとるまでも無く、天災を含め、不測の事態も考えられます。現在、知人から住宅ローンの相談を受けたならば、余裕のある額の固定のローンを勧めると思います。繰り返しになりますが、大きめのローンが組めるからといって、収入の大半をローンの支払いに充てるレベルの返済はお勧め出来ません。
常に一定水準以上の現預金の確保も忘れてはいけないと感じます。
住宅ローンを完済する年齢になっても健康かどうかはわかりませんからね。
次回は、「日産自動車に関して思うこと」の予定です。
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