4月に入って、日米株式市場とも不安定な状況となってきました。
中東情勢緊迫化もさることながら、米国金利上昇、利下げ可能性の後退や企業業績の頭打ち感などが背景と思われます。
米国株式市場は、昨年秋から利下げ期待で上昇してきたこともあり、その期待感が剥奪し、利下げ幅縮小、利下げ時期後退が織り込まれつつある状況かと思います。
困ったことに、最近では年内の利下げ見送りや場合によっては、利上げという声まで聞こえてきます。
現状を打破するためには、雇用、消費、物価の指標によって金利が低下していくか、企業決算のポジティブサプライズなどが必要だと感じています。
さて、今週のお題です。
昨年も投稿しましたが、米国では夏場の株式のパフォーマンスが振るわないことが多いため、一旦、5月の高値で売却し、株価が低迷していることの多い9月後半に再投資するのが効率的であるという趣旨の投資格言です。
日本の株式市場も例年、ゴールデンウィークの頃から軟調になることが多く、「利益確定できるものは確定して、再投資に備えるという作戦もありますね。」と昨年、投稿しました。
が、
結果的に、昨年は5月から夏にかけて、海外投資家の大幅な日本株買い越しが継続し、「Sell In May」を実行したとすると、機会損失が発生しました。(儲け損なったということですね)
少し、脱線しますが、海外投資家の日本株買いに関しては、特に季節性があるようには、感じません。今年も1月から3月にかけ、大幅な買い越しとなり、日本株上昇の原動力となりました。いつ頃、外人買いが入るか、わかると良いのですが、そうもいきません。
昨年夏の海外投資家の投資行動は、想定外でした。
さて、今年の展開はどのように考えたら良いでしょうか?
現状、日米とも高値圏とは言え、既に高値から10%程度調整しているレベルです。「Sell In May」を実行するとすれば、6月以降、株価が更に下落していく前提になります。金利高止まりやまちまちな企業決算でその可能性も否定できません。
今後の焦点となるのは、前述の通り、米国金利動向や利下げスタンスだと思います。
基軸通貨国である米国が利下げをすると、新興国を含めた他国も利下げがしやすくなり、株価の上昇要因となります。(通貨安を防ぐために、米国が利上げをすると他国も利上げしたくなくてもお付き合いせざるを得ない面があります)
日米株式市場とも3月までは、米国利下げ期待(期待先行気味でしたが)で堅調な展開が続きました。現在は、期待と現実のギャップを埋めている段階だと感じます。
従って、米国金利が落ち着くまでは、調整局面が続く可能性があるかもしれません。
2024年4月中旬現在、長期金利が5%近い水準ですが、4%台前半、できれば3%台まで低下すると、雰囲気はだいぶ変わりますね。米国では、商業不動産や地方銀行の不良債権の問題も潜在的に存在します。金利上昇が危機発生のトリガーになるリスクは念頭に入れておきたいところです。
また、中東情勢悪化による原油価格上昇もインフレ再燃から金利上昇につながるリスクがあります。
今までのマーケットの流れを前提とすると、すぐ高値を奪回することは、難しく感じます。今は金利動向や利下げ見通しを織り込みつつ、下値を模索している段階だと思います。日米株価指数とも、直近高値から約10%程度の下落になっており、「Sell In May」の前提である5月高値とは距離がありますね。
今年に関しては、5月が高値になって、利益確定のチャンスになる可能性よりもリスクオフが進行し、株価が低迷する可能性の方が考えられそうです。
一方、米国株式市場で調整相場入りと言われるのは、20%の下落です。現時点から約10%程度下落する水準になります。必ずしも、その水準で下げ止まる訳ではありませんが、意識しておくことも必要かもしれません。
今後、経済指標や企業決算をチェックし投資家心理好転のタイミングを確認したいところです。
我慢の時間が少し、続きそうな気配ですね。
今回の結論としては、「Sell In May」が2ヶ月前倒しになって、「Sell In March」だったというようにも感じています。今年の5月以降は、むしろ、リスク管理が重要な初夏になりそうです。
来週のブログはお休みします。
次回は、5月10日、「円安は良いことか?」の予定です。
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