メディア等でアクティブファンドよりもインデックスファンドの方が好ましいというコメントを目にすることが多くなりました。そもそも、特徴が異なりますので、どちらが良いというよりも、今回は、その特徴をご紹介したいと思います。
アクティブファンドは、一般的にベンチマーク(参考指標)を設定し(ベンチマークの無いものもあります)、それを上回ることを目指すファンドです。ボトムアップというアナリストによる企業分析に力を入れ、ポートフォリオを構築するため、どうしても、コスト(信託報酬等)が高くなる傾向にあります。ファンドマネージャー(以降FM)の評価は、基本的にベンチマークを上回ったかどうかが基準になるため、ベンチマークが大きく下落していても、それを上回っていれば、ファンドとしては、評価されるということが起きます。投資家目線では、元本が棄損しているのに、ファンドの評価が高いというやや納得しにくい状況もあり得ます。投資対象は、各種テーマ型や特定に地域に特化した株式ファンド等が代表例です。コストが高めである点、投資テーマが変わってゆくことも多い点等から、長期の投資(10年以上)としては、ファンドの選別が非常に重要になります。個人的に長期で投資しても良いと感じるアクティブファンドはあまり多くないように感じます。一方、短期(1年程度)や中期(3年から5年程度)の期間であれば、大きなリターンを獲得するチャンスがあるのも、アクティブファンドの特徴です。但し、対象期間によって、アクティブファンドは大きくアウトパフォームすることもアンダーパフォームすることもあります。各FM、運用哲学等によって、局面局面で得手不得手があることを感じます。
インデックスファンドは、その名の通り、各種インデックスに連動することを目的に運用されているファンドです。積立NISAやiDeCo等で多く採用されています。各種インデックス(SP500やTOPIX等)との連動を目指すため、企業分析は不要でコスト(信託報酬等)は低めとなります。FMの評価は、ベンチマークと如何にパフォーマンスが乖離しないか(トラッキングエラーと言います)という点になり、ベンチマークが上昇しているか、下落しているかは問題となりません。投資家目線で言えば、如何にコストが低く、トラッキングエラーが小さくても、長期下落トレントの商品を選んでしまうと残念な結果となり得ます。従って、長期投資や積立投資が可能であれば、全世界の株式に投資するインデックスファンド等が、途中で厳しい局面があっても、好ましいと思います。
アクティブファンドを選ぶ際、テーマ型の場合、そのテーマの持続性がどの程度、期待できるのか、組み入れ銘柄とテーマに齟齬が無いか、純資産がある程度あるか(100億円程度は欲しいところです)等をチェックすることが必要です。テーマ型ではない、オーソドックスなアクティブファンドの場合は、どのくらいの運用実績(期間)があるのか、純資産が多いのか、ベンチマークとの比較で安定して上回っているのか等をチェックします。
インデックスファンドの場合は、コストが低い方が好ましいですが、それとあわせて、純資産額が多いかどうか、運用会社が大手かどうか等をチェックします。基本的には、アクティブファンド程、ファンド間で大きなパフォーマンスの相違は起きないはずのカテゴリーです。従って、どのアセットクラス(投資対象)を選択するかが、大きなポイントになると思います。
尚、純資産が多い方が良いというのは、早期償還の可能性が低いこと、運用の安定性が担保されること、運用会社が資料に力を入れやすいこと等が背景にあります。
詳しくは、株式会社 Noble principleまでお問い合わせください。
次回は、アクティブとインデックスをどのような比率で保有したらよいかを私見を交えてご紹介したいと思います。尚、急に予定が変わることもあることをご承知ください。