心配していたトランプ関税が発動されました。
一般的な経済理論の視点では、米国はインフレが加速し、景気悪化が進行するスタグフレーションに陥る可能性が高くなったと思います。中央銀行であるFRBは、景気悪化しても、物価が高止まりしていると、利下げができないというジレンマに悩まされそうです。
また、困ったことに影響は、米国だけにとどまらず、世界各国に及ぶ点も心配です。
さて、今回は、ゴールド(金)投資に関するコメントです。
ご存じの方も多いと思いますが、地政学リスクやインフレ進行、経済面の不透明感などから、ゴールド価格は、高値更新を続けています。
上昇の要因としては、世界的なインフレで実物資産のゴールドのニーズが高まっている点、各国が保有している外貨準備の中で、米国国債からゴールドにシフトが進んでいる点、基軸通貨である米ドルに対する信頼が揺らぎつつある点、等から上昇トレンドが続いています。
投資対象としての「ゴールド」の特徴を思いつくまま、挙げてみます。
◆インフレに強い
インフレは、物価が上昇する、言い方を変えると、貨幣価値が下落するという面があります。その場合、実物資産の価値が相対的に上昇します。但し、インフレ時は、高金利になるケースが多いため、利息を生まない「ゴールド」の上昇にブレーキがかかる面もあります。
実物資産の価値上昇と無金利のデメリットのどちらが強いかでトレンドが生じると思います。
◆信用不安や地政学リスク局面に強い
現在、米国のトランプ関税が注目されています。また、米国は最近、通商面や外交面で、他国と軋轢を生じさせるような対応が目立ちます。基軸通貨の米ドルですが、財政赤字以外にも、他国からの信認を揺るがすような状況になると、代替としてゴールドが選好されます。
古くからゴールドは富の象徴とされてきましたし、かつては、金本位制の時代もあり、通貨の代替という一面もあるので、不安定な時代には上昇する傾向が見られます。
◆金価格の評価基準が存在しない
仮想通貨も同様ですが、株式や債券のように価値を計る尺度がありません。
従って、需給で価格が動く傾向が強く、ファンダメンタル面での評価は困難です。
価格が下がったから割安なのか、どうかの判断はつきませんね。
何らかの統計で、各国の外貨準備の変化がわかるようです。YouTube上で見たのですが、中国が米国債を売却し、ゴールドを買っている動きがあるようです。適切に分析できれば、中央銀行の動向を把握することで、買い需要が多いとか、少ないとか判断できますね。
◆投資手段によって、税制が異なる
ゴールドと言うと、「金塊」をイメージされる方も多いかもしれません。
実際、実物のゴールドに投資することも可能ですし、投資信託やETFを通じて、ゴールド投資も可能です。但し、税制面では、詳細は割愛しますが、実物のゴールドの税制はやや複雑です。また、投資信託やETFの場合は、株式や他の投資信託と同様、有価証券の税制が適用されます。NISAの場合、ゴールドの投資信託やETFは対象となりますが、実物は対象外です。
iDeCo(確定拠出年金)の商品ラインナップにも、ゴールドの投資信託が見られますね。
個人的には、課税が簡易な有価証券の方が好ましく思います。売買の容易さも有価証券に軍配が上がりますね。
◆基本的に米ドル建てで取引される
日本でも1グラム当たりの価格が出ていますが、基本的に米ドルでの取引がベースになります。米ドル建ての「ゴールド価格」に為替を加味したのが、日本円での「金価格」になります。
地政学リスクが高まると、ゴールド価格(米ドル建て)が上昇しやすくなります。但し、リスクオフの円高という傾向もあるため、米ドル建てのゴールド価格が上昇しても、為替が円高になると、上昇分を相殺してしまい、円ベースでは価格が上昇していないということも少なくありません。もちろん、ゴールド価格(米ドル建て)上昇と円安がセットになれば、ダブルで上昇することになりますね。為替要因を排除するために、一部の投資信託には為替ヘッジ付きのタイプもあります。為替のヘッジコスト(簡単に言うと、日米の短期金利差)がかかりますが、ひとつの作戦として考えても良いかもしれません。
古くから資産家向けのプライベートバンクでは、一定割合の金保有を推奨してきたようです。現金と不動産と金を均等に保有すると良いという話も聞いたことがあります。
確かに、ゴールドは、他の資産と値動きが異なるだけでなく(相関が低く)、戦争や金融危機などで他の資産が頼れない時に輝きを増す傾向があると感じます。
儲かるに越したことはありませんが、本当の一大事の時に、基本、どこにいても現金化できるという安心感は捨てがたいですね。
次回は、「いよいよ、スタグフレーション?」の予定です。
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