弱小投資家、今年を振り返る

 

2023年も、まもなく、暮れてゆきます。

投資活動に関して、どんな1年だったでしょうか?

 

 振り返れば、SV銀行破綻、クレディスイス危機、米ドル円の150円台への円安進行、ウクライナ問題に加え、パレスチナ問題勃発など、ネガティブな話題も盛りだくさんでしたが、日米とも株式市場は、概ね、良好な投資環境だったと思います。

 

 

かく言う私も、日次の勝率はまずまずでした。

 

勝率という言葉を使ったのは、幾つかの大負けがあり、トータルでは、残念な結果となったからです。

 

今回のブログは、自省を込めた反省日記とご理解ください。

 

 外国株は、全般的に円安効果もあり、米国個別株や外国株投信は、円ベースで(為替を考慮したパフォーマンス)値上がりしたケースが多かったと思います。

投資先が代表的な大型株やインデックスファンドであれば、負けにくかったと思います。

私も適宜、利益確定ができました。

特に米国個別銘柄は、売却の売り指し値が有効でした。

 

ところが、日本株で大負けを何回か、してしまいました。

 

私の反省点は、「リスク管理」と投資格言でも言われる「銘柄に惚れた」という2点です。

 

記憶に残る惨敗銘柄は、3銘柄あります。

 

ひとつ目は、「Aバランス(3856)」という銘柄です。

同社は、主力事業が太陽光発電で、ベトナムに太陽光パネル子会社を持つ企業です。

 

この銘柄は、惚れた訳ではないのですが、買い増ししたのが、裏目に出ました。

 

株主構成や事業内容などから、個人的な好みと異なる企業でしたが、年初から上昇し、SNSなどでも話題になっていたため、打診買いで投資をスタートしました。

 

また、別の視点では、同社は、IR活動が過剰で、やや、不信感を感じつつです。

 

株価は、5,000円台から13,000円台まで上昇し、その間、適宜、小幅の利益を確保できたので、投資額を増やしたところ、増担保規制(株価急騰に対する信用取引の担保増額規制)などをキッカケに、2日間連続ストップ安(値幅制限いっぱいの下落)に見舞われました。

 

13,000円程度から8,000円程度まで、5,000円位の下落です。

一単元100株当たり換算で50万円の損失です。

結構なダメージですね。

 

更なる下落リスクを排除するために、ほぼ安値で手放すこととなりました。

現物だけでなく、信用でも投資していたため、損金充当のため、他の現物株も売却を余儀なくされました。ご想像の通り、売りたくない銘柄まで売却し、ポートフォリオがグチャグチャになりました。

 

教訓として、1銘柄当たりの投資額、投資株数の上限管理、想定の最大損失額の把握が重要と認識しました。

また、直感的にやや怪しく感じる銘柄(業績好調なのですが、競争の激しい太陽光ビジネスでそこまで、利益を伸ばせるか?という疑念がありました)には、より慎重なスタンスが必要と思い知らされました。

 

因みに同社の株価は、3,000円台前半で推移しています。

 

続いて、悲劇の銘柄、第2弾です。

「ソシオネクスト(6526)」という富士通とパナソニックのロジック半導体が統合した企業です。

 

2022年秋に上場し、2023年夏にかけて、こちらも株価は大幅上昇しました。

3,000円台の上場時の株価から、2023年の6月には、28,000円台まで上昇した銘柄です。

高値をつけた後、こちらもストップ安(5,000円安)2回、食らいました。(単元株100株でも100万円の損失ですね)

今年に入ってからの株価上昇で過熱感があったのは、事実ですが、その後、大株主の富士通、パナソニック、日本政策銀行の保有株売り出しというイベントで、同社に対する評価が揺らぎ、株価は更に下落基調となって行きました。

 

現在では、11,000円から12,000円程度の株価水準です。

尚、2023年末に株式分割が予定されています。

 

企業の株式売り出し自体は、株数が増加する訳ではないので、財務的には株価に対してニュートラルのはずなのですが、大株主の全株売却というのは、投資家に相当なインパクトを与えたようです。

 

順調に株価が上昇したことから、私自身コア銘柄として、保有株数を増やしていきました。また、主要株主も安心できる企業であったこと、前述の通り、あくまでも売り出しで発行済み株式数の増える公募ではないこと、半導体市況も底打ちが期待できること、などが背景で、買い増しの後、損失確定が大幅に遅れ、大惨事となりました。

 

大株主の持ち株売却という不測の事態はありましたが、ここも教訓として、株価上昇と共に、保有株の一部売却を進めておけば良かったと感じています。保有株数の上限という意味ですね。

この銘柄も信用取引で含み損拡大した局面で、現引き(信用取引から現物に振り替えること)を行い、やはり、ポートフォリオがグチャグチャになってしまいました。

 

 

最後の悲劇の銘柄です。

 

「日本製鉄(5401)」です。ご存じの通り、日本を代表する製鉄メーカーです。

 

通常は、それ程、大きな値動きをしない銘柄ですが、今年の春先の決算発表時、業績が期待に届かず、急落しました。その少し前に同業のJFEスチールが好業績を発表し、鉄鋼各社の株価は強含んでいました。私も欲を出して、決算発表前にそれなりの株数を保有しました。

決算発表が昼休みの時間だったため、午後の市場では気配を切り下げ、大幅安となりました。

 

これまた、リスク管理上、やむなく、保有株式を損失確定し、大きな実現損につながりました。

決算またぎは、リスクがあると言われていますが、同業他社の決算を見て、継続保有を決めた経緯があり、やむを得ない面もあると思っています。但し、このケースでも、投資のロットが大きすぎたことが傷を深くしたように感じています。

 

 

「コツコツ、ドカン!」と揶揄されますが、投資の世界では、小さく勝って、大きく負けることが致命傷になりかねません。また、9勝1敗でも、退場リスクは常に存在します。

改めて、リスク管理の重要性を思い知らされた2023年でした。

 

考え方次第と思いますが、一銘柄で勝負することで、大きなリターンが期待できる面がある一方、再起不能になるリスクも高まります。長く市場で戦うためには、やはり、退場リスクを排除する、言い換えれば、適切なリスク管理が重要であると、心に留めたいと思います。

保証金率や投資枠を常に意識していたので、この程度で済んだとも言えると感じています。

 

このように信用取引は、最近、敷居が低くなったとは言え、不測のダメージを負うことがあります。初心者の方は、特に慣れるまでは、慎重なスタンスが良いと思います。

 

また、色々な意味において、SNSの情報を鵜呑みにしないことも大事だと思います。

景気の良い投稿も多いですが、話、1/3程度で流した方が良いと感じます。

個別銘柄についてのコメントも参考程度の認識です。

 

波乱の1年でしたが、今年も静かに暮れてゆきます。

皆さまが良き新年をお迎えすることを祈念します。

 

 

新年最初のブログは、1月12日に投稿予定です。

次回は、時々、見かける「市場暴落説について思うこと」の予定です。

 

当ブログは、毎週金曜日に更新予定です。

金曜日が休日の場合は、お休みします。

 

いつもながら、投資に際しましては、自己責任でお願いします。

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