今回は、時節柄、株式に関する投資格言を取り上げてみます。
この格言は、アノマリー(合理的に説明できないものの、一定の傾向が見られる現象)のひとつとしても、意識されるものです。
意味合いを、端的に言えば、新春相場が始まり、節分の頃(2月上旬)まで株価は上昇が続くものの、その後は、利益確定売りや機関投資家の年度末決算に向けたポジション調整などから、節分(3月中旬)に安値をつける傾向のことを言います。
一旦、2月上旬に高値をつけて、しばらく、株価が低迷することが多いということです。
同種の投資格言、アノマリーには、「Sell In May」(5月に株を売れ)などもありますね。
毎年、金融マーケットは同じ展開になるわけでもなく、サプライズなどで相場展開が変わることも多々ありますが、一定の傾向として、意識することは意味があると思います。
個人的な記憶でも、2月から3月の期間は、モヤモヤした相場展開が多いように感じます。
加えて、季節性で言えば、春のGW位まで、堅調な株式市場も、夏場はやや軟調になる傾向が多い印象です。
特に今年の日本株は、年初から大幅上昇したため、2月以降、利益確定売りが出やすいタイミングとなるかもしれませんね。買い遅れた投資家が動き出すとまた、別の展開もあり得ますけれど。
2024年2月の投資に関わる日程を考えてみます。
日米とも2月は、金融政策決定会合がありません。
株式市場は、企業決算や利下げを見込んだ米国景気に反応しそうです。
特に2月前半は、米国のハイテク大手の決算が相次ぎますし、2月後半には、半導体大手のエヌビディアの決算が控えています。1月30日発表のアルファベット(グーグルの持ち株会社)、マイクロソフト、AMDの決算は、期待先行でネガティブに市場は反応しました。
これらの決算が期待を超えた場合、強気相場が続く可能性が高まりますし、逆に、失望された場合は、関連セクターも厳しい展開になるかもしれません。
仮にこの投資格言の通りの展開を前提にすると、高配当株投資に関して、幾つかの投資戦略が考えられます。
2月上旬高値、3月中旬安値の場合、3月決算銘柄(3月末に保有しておくためには)は、2月に特に売られて、買い場がなければ、3月中旬くらいに投資すると効率が良いことになります。逆に、2月決算銘柄の場合、2月上旬から3月中旬にかけては、株式市場が低迷気味で下落傾向の可能性があり、銘柄選定と投資タイミングが大事になりそうですね。
もちろん、投資格言が絶対ではありません。
それでも、3月に向け、決算対策など利益確定の売りが出やすいタイミングであることは事実だと思います。頭の片隅に入れておくと良いですね。長期投資家の方にとっては、投資タイミングとして、検討の余地があるかもしれません。
「節分天井、彼岸底」の投資に限りませんが、投資可能な現金(キャッシュポジション)の管理が重要ですね。利益確定も行いながら、手元の現金確保を重視し、魅力的な銘柄が安くなっている局面で投資をしたいものです。
この格言の例だけではなく、常に全力投資していると、足下を掬われるリスクが高まります。楽観も悲観も同様ですが、数日でマーケットの雰囲気が大きく変わることは良くあります。
相場を予測することは、誰にとっても困難ですが、傾向を知っておくだけでも、気休めになるかもしれませんね。
次回は、「インフレと預金の関係」の予定です。
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