今回は、投資格言シリーズです。
7月中旬から、日米とも株式相場が波乱の急展開となりました。
米国株もジリ高の展開が続きましたが、グロース株が大幅下落し、NASDAQやSOX指数のチャートの形も一気に崩れました。
昨年から、半導体大手エヌビディア株の上昇が相場をけん引してきましたが、こちらも失速しました。今週、水曜日は大幅反発しましたけれど。
日本市場も、先物主導で急騰しましたが、その後の下落は、皆さん、ご存じの通りです。
今回は、それらを踏まえ、「上げ100日、下げ3日」という投資格言を取り上げます。
一般的に株式市場の上昇は、買いたい投資家と利益確定したい投資家が存在し、買いたい投資家の需要が大きい場合、売りをこなしながら、ジリジリ上昇していく傾向があります。
一方、上昇局面が煮詰まると過熱感を感じる投資家も増え、キッカケ次第で利益確定売りを急激に誘発します。不安心理が高まると、売りが売りを呼ぶ展開となり、今回のように短期間で上昇分を全て吐き出す結果になることもあります。
米半導体大手のエヌビディアの株価も決算後の高値から、一時、約20%超下落しました。
好業績で将来への期待感が高い銘柄ですが、上昇ピッチが早かったこともあり、7月の米消費者物価指数の数値が低下し、金利が低下したことがキッカケとなり、好材料出尽くしという判断から、利益確定売りが誘発されました。この前後に政府要人から対中半導体輸出規制や台湾の防衛に関するコメントがあり、蘭半導体大手ASLMの決算が期待に届かなかったことなども影響したと思われます。個別の悪材料があった訳ではないのが切ないところです。
株式市場の下落において、全てが100日かけて上昇した分を3日で全て吐き出すという訳ではありませんが、急落時には、短期間で過去の上昇分を失うような事態が発生することも念頭においておきたいところです。
対処方法ですが、面倒ですけれど、株式の場合は、「逆指し値」の活用が考えられます。
何回か、このブログで紹介していますが、一定水準以下の株価になった場合、成り行きで売却を執行するという注文です。例えば、140ドルだったエヌビディアが120ドルを下回ったら、成り行きで売却するイメージです。取得価格と時価との見合いはありますが、含み益の状態で売却できれば、ベターですね。
投信の場合は、逆指し値がありませんので、ある程度の評価損益になった際に、解約する気持ちの準備をしておくと良いかもしれません。また、怪しい雰囲気を感じたら、とりあえず、現金化しておくことも作戦のひとつですね。
株式にせよ、投信にせよ、買い付けは、自分の判断でいつでもできますが、利益確定は含み益がある状態でないとできませんね。
また、「落ちてくるナイフは掴むな」という類似する投資格言もあります。
急落時の対処方法として、下落が落ち着くまでは、中途半端に投資すると大怪我を負いかねないという教えです。
確かに、ずっと上昇していた銘柄が高値から20%や30%下落すると、割安に見えなくもありません。しかし、底値がどの水準なのかを、下落している最中に判断することは極めて困難です。で、あれば、下落が止まり、落ち着きを見せた段階で、投資を検討すべしという捉え方です。確かに値頃感で投資して痛い目にあった記憶は少なくありません。
長期運用前提の積み立て投資に関しては、この限りではありません。
円高、米国株安で新NISAの積み立てをストップする方が増えているという話を耳にします。無理な金額の積み立てで無ければ、継続すべきだと考えます。つらい時期が続く可能性はありますが、いつまでも下落し続ける株式市場は稀です。数少ない例外は、1990年以降の日本株式市場が該当したかもしれませんね。
資本主義経済である以上、人間はより豊かになることを求め続けます。
そのため、イノベーションの発展などを通じて経済は持続的に発展していきます。
株式市場は、経済や業績の裏付けの下、上昇してきました。それは、今後も変わることはありません。
今回の格言のまとめとしては、
◆時間をかけて上昇した相場も、短期間で上昇分を吐き出すことがある
◆対処方法として、逆指し値の活用や含み益の水準を見て売却すること、怪しい雰囲気を感じたらとりあえず、現金化することなどが挙げられます。
◆長期投資前提の積み立ての場合は、含み損に転落しても、継続が基本線です。
今年の後半は、米国大統領選挙もあり、波乱含みの相場展開が予想されます。
個人的にも損失確定を含め、慎重な対応をしていきたいと思っています。
次回は、「日銀の利上げについて思うこと」の予定です。
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