新築マンション高騰はまだ、続く?-後編-

 

前回は、最近のマンション価格上昇の背景を国内要因から考えてみました。

今週は、グローバルな視点からコメントしたいと思います。

 

国内要因で考えられるポイントとして、以下の項目を紹介しました。

 

■人口減少

■一極集中の加速

■郊外から中心部への人口動態移動

■高齢化の進行

■税金対策(相続税)

 

関東圏、特に東京23区中心部の新築マンションの価格上昇が際立っています。

その中でも郊外より、より利便性の高い都心部の上昇が目立ちます。

 

それでは、グローバルな視点でのマンション価格高騰を考えてみます。

 

■相対的な不動産価格の水準

■円安

■不動産価格や株高による資産効果

■相対的な地政学リスクの水準

■コロナの渡航制約解除による外国人の賃貸ニーズ

■資材価格上昇

 

 

 

■相対的な不動産価格の水準

 

 日本不動産研究所の2023年4月のデータによると、高級住宅街とされる東京都港区元麻布で想定される新築マンション分譲価格を100.とした場合、香港が242,ロンドンも181といった水準で、大きな開きがあります。韓国のソウルでも、再開発許可制限が背景とは言え、ここ4年間で約80%上昇したそうです。先進国の都市部の中での、割安感を海外投資家は感じているようですね。

 

コロナ前に香港に駐在していた知人の話で、一般的な戸建ての月額賃料が、約70万円と聞いて驚いた記憶があります。

 

人口減少を背景に国内不動産には、全般的に逆風が吹いている面がありますが、国際競争力のあるような物件には、海外の資金流入が継続しているようです。但し、投資対象が限定されている印象ではあります。

 

また、別の背景には、富裕層の富の蓄積、株式などの上昇による資産効果、日本の相対的な地政学リスクの小ささや治安の良さ、低金利、円安などが理由となり、海外投資家の投資対象の一つになってきています。

ひと頃は、中国人の不動産投資が目立ったようですが、最近では中国以外のアジア各国の富裕層の資金も流入してきているようです。海外富裕層の資金量は、桁違いですからね。

 

希少性の高い物件には、実需と投資の両方の資金が集まっています。

今後は、外国人に人気のある京都や札幌といった都市部の物件にも注目が集まるかもしれません。

 

 将来的に金融危機などが発生せず、円安や低金利など現状のトレンドが継続するのであれば、資金流入も続きそうですね。とは言え、海外投資家の場合、特に流動性を重視する可能性が高く、需要が高くて、いざとなれば、いつでも売却できるような利便性の高い優良物件を重視すると思われます。都心の一等地ですね。

 

 

■円安

 

 言うまでも無く、円安は、海外の投資家から見ると、円資産が安く買えることを意味します。

以前より、50%程度、円安が進行しているということは、同じ円価格ならば、50%程度、安く投資できることになります。かつて、1米ドル100円の時の100万米ドルは、円換算で1億円ですが、現在150円程度の水準だと、円換算で1.5億円の投資余力となります。前項の相対的な不動産価格の低さに加え、通貨安が外国人の投資熱を高めている面もあると思います。

 

 

■不動産価格や株高による資産効果

 

この点は、海外投資家に限りませんが、資産価格上昇の恩恵を受ける投資家層が世界中に沢山、存在します。また、海外富裕層のレベルが、日本国内の富裕層を遙かに超えている点もポイントです。ローンを組む必要がない投資家も多いようです。

 

 

■相対的な地政学リスクの水準

 

テロや紛争などがある国、地域の場合、不動産投資のハードルは高くなります。色々、我が国に課題はあるにせよ、そのようなリスクが限定的です。また、法律、租税条約なども整備されており、投資対象として魅力を感じる海外投資家は、少なくないと考えられます。

特にアジア地域での優位性は、顕著だと思われます。

 

 

■コロナの渡航制約解除による外国人の賃貸ニーズ

 

コロナによる規制で海外渡航ができない時期がありました。渡航が再開されることで、外資系企業の日本駐在員の居住ニーズも高まってきているようです。賃貸ニーズがあるということは、投資用マンションの需要にもつながります。月額賃料が100万円以上の物件も少なくないようです。

 

 

■資材価格上昇

 

コロナによる供給不足からのインフレが高止まりしています。それに加えて、円安があり、円ベースでの資材価格は上昇が止まりません。人手不足による人件費高騰も建設コストに跳ね返ってきます。マンションの需要もさることながら、供給サイドのコスト増も、マンション価格上昇に影響を及ぼしています。コモディティ価格の変遷を見ると、コロナ前の水準に落ち着くには、相当な時間が必要な気がしています。

 

 

前回と今回のブログで新築マンションの価格上昇について、コメントしました。

 

 新築マンション価格高騰に過熱感は否めませんが、少なくとも、国内需要だけでなく、海外投資家の資金流入がある点から、今後も一等地のマンション価格が下がりにくい傾向はあると感じています。近い将来、築地の再開発などが計画されていて、人気が高まりそうです。一方、国内要因である人口減少は、切実な問題となっており、地方や郊外の不動産は、厳しい環境が加速すると思われます。

 

次回は、「株式は、秋に買って春に売ると良い?」の予定です。

 

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