先週は、体調不良のため、ブログをお休みさせて頂きました。
今週と来週は、新興国投資についてコメントしたいと思います。
前編として、今週は、新興国への株式投資、後編は新興国への債券投資の予定です。
新NISAでは、米国のSP500や全世界株式(オルカン)の人気が続いているようです。
これらが、本命の投資対象であることは異論がないところだと思っています。
その一方、将来的に大きく成長するかもしれない新興国株投資も捨てがたく、個人的には、新NISAでこちらも積立てをしています。以前、運用会社で新興国に係わる仕事をしていたこともあり、時折、見せる爆発的な株価上昇を期待してのことです。日本でも、インドやベトナム株などに投資する投資信託は人気があるようですね。
「BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国、場合によっては、南アフリカ)」を始めとする新興国は、様々な課題を抱えているものの、将来的な成長期待が高い地域です。先進国と比較して、人口が多いだけでなく、若い人口が多い特徴があります。また、資源を保有する国、消費やインフラ投資など内需主導で成長している国、など個性もまちまちです。
一般論で言えば、新興国はインフレに苦しんでいる国が多く、為替も脆弱なケースがあります。それ以外にも様々なリスクがありますが、特に基軸通貨国(米国)の金利引き上げが向かい風になるケースが多いように感じます。対米ドルの通貨水準を維持するために、米国が利上げをすると、各国の経済事情にかかわらず、利上げを余儀なくされることが出てきます。
それらの新興国経済にとって、利上げは経済成長に対し、ブレーキとなります。過去の新興国の通貨危機は、米国の利上げ局面だった記憶があります。
逆に、米国が利下げに転じると、無理な高金利政策を取らずに済むため、利下げが可能となり、経済に追い風が吹くことが期待されます。
現状、米国が利下げを開始し、来年に向け、複数回の利下げが予想されています。
米国株式市場にも追い風が期待できますが、実は、新興国経済や新興国の為替にもプラスに働く傾向があります。個々の投資リスクはあるものの、大枠で捉えると、良好な投資環境を迎えつつあると考えます。
もちろん、大統領選挙の結果次第では、新興国との貿易摩擦拡大というリスクも考えられますが、当面、該当する国と地域は、中国やメキシコと新興国の一部ではあります。
一応、新興国の株式投資における留意点をまとめてみます。
◆情報収集が難しい
◆政治リスクが先進国よりも高めである
◆政情不安がつきまとう
◆株式も為替も価格変動が大きい
◆中央銀行の独立性に疑問があるケースも
◆グローバルなリスクオフの際、影響を受けやすい
投資の魅力としては、高成長が期待できる国が多いことが挙げられます。
GDPの成長率と株価上昇率は、必ずしも一致しないものの、GDPと株式時価総額の変化には、一定の相関関係が見られます。言い方を変えると、大きくGDPが伸びる国は、株式時価総額も時期は多少、ずれても、同様に大きく成長すると期待しています。実際、GDP成長率が1%の国に投資するのと、7%の国に投資するのでは、期待値が異なって当然と考えます。7%成長の国に所在する企業の利益成長率は、より高い可能性があるというロジックです。
別の話題です。
先日、中国で景気対策が発表され、株式市場が急騰しました。
個人的な見解をご紹介したいと思います。
最近の正確な情報や制度変更を把握できていない面をお断りしますが、
中国の株式市場は突如として急騰と急落を繰り返すことがあります。
かつて程、規制はなくなったと思われますが、中国国内では、為替の制約から自由に海外投資ができない面がありました。そのため、不動産(所有権では無く、使用権)や株式に資金が極端に流入するケースがあり、一方通行で資金が入るため、急騰するものの、その後、大きな下落が生じることがありました。
中国の株式市場は、緩和されたとは言え、海外投資家が自由に売買することに制約があります。国内個人投資家主体の市場ですから、株価もゆがみやすく、資金が一方通行になりがちで、急騰、急落を招きやすい特徴があります。中国本土と重複上場のある香港市場の方が、投資家の厚みもあるため、本土市場ほど、極端な値動きは限定されていると感じます。
因みに、私は新興国株投資に関しては、
三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS slim 新興国株式インデックス」に投資しています。低コスト(低信託報酬)である点、純資産が1,500億円以上あること、インデックスファンドの運用実績が十分であることなどから選択しました。個別国投資も魅力的なのですが、新NISAのつみたて枠の対象外なのと、情報収集に手間がかかることから、こちらを選択しています。
個別国に投資をするアクティブファンドの場合は、インデックスファンドと比べて、信託報酬が極端に高くなる傾向があります。その点も注意したいところですね。
同ファンドのベンチマークは、MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円換算)です。組入上位国は、インド、台湾、ケイマン、韓国、中国、ブラジル、サウジアラビア、南アフリカ、メキシコ、インドネシアの順番です。
以前の私の記憶では、この手のインデックスの構成比率は、中国や香港が高く、全体の40%程度を占めていた印象があります。このファンドは、十分に新興国をカバーしていると捉えています。
個別の投資信託の商品を紹介しましたが、こちらの商品を推奨するものではありません。
また、いつもながら、投資の判断はご自身で宜しくお願いします。
来週は、「新興国投資の留意点(後編)」の予定です。
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