関税問題や貿易摩擦をよそに、日米株式とも高値更新が続いています。
ともに半導体銘柄の大幅上昇が目立ち、逆に低迷している銘柄も少なくありません。
日経平均が高値更新していても、自分の保有銘柄は冴えないという声も多いようです。
今回の上昇は、一部の銘柄が牽引した、かなり偏りのある上昇と言えるかもしれません。
今回は、それらの値動きを確認してみたいと思います。
まず、日米各指数の7月末から先週、9月19日までの騰落率を見てみます。
◆日経225;+9.68%
◆TOPIX:+6.95%
◆グロース250(小型株):1.67%
◇NYダウ:+4.95%
◇S&P500:+5.13%
◇NASDAQ:+7.14%
◇SOX(半導体指数):+11.13%
以前のブログでも紹介しましたが、各指数は各々、特徴が異なります。
それらを踏まえて、内容を確認します。
まず、日本の株式指数では、日経平均(日経225)が代表的な指数で、メディアなどでも通常取り上げられる指数です。
日本を代表する225銘柄で構成される指数ですが、基本的に高株価の銘柄の影響力が高いという特徴があります。最近の上昇では、ソフトバンクG(9984)、アドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)というAI関連や半導体銘柄が上昇を牽引しました。前述の通り、高株価の銘柄の影響度合いが大きいので、銀行、自動車、商社、鉄鋼などの影響度合いは小さくなります。逆にTOPIXは、東証上場銘柄の指数です。年金等の機関投資家の参考指標になっています。こちらは、時価総額の大きな銘柄の影響度合いが大きくなります。具体的には、トヨタ、三菱UFJ、ソフトバンクG、ソニー、日立という順番になります。
日経225がTOPIXよりも上昇率が高い場合は、高株価銘柄の上昇があることが推測されます。
また、逆にTOPIXの方が日経225よりも強い場合は、銀行株や自動車株等が高いことが推測されます。で、7月末からの騰落率を見ると、日経225の方がTOPIXよりも、2.5%程度、大きく上昇しました。実際に同期間においては、前述のソフトバンクG、アドバンテスト、フジクラなどの上昇が目立ちました。これらの銘柄に集中投資されていた方は、大勝利ですね。おめでとうございます。
繰り返しになりますが、TOPIXと比べて、日経225の方が一部の銘柄の変動の影響が大きい特徴があります。
従って、日経225が高くても自分の銘柄があまり上がらないという現象が起きやすいです。
寧ろ、TOPIXの数値を見た方が、東京市場の全体像が把握できると思います。
とは言え、テレビやラジオのニュースで取り上げられるのは、日経225主体ですけどね。
一部の銘柄の上下が日経225に影響を与えやすいという傾向は覚えておきたいです。
今回の上昇は、値嵩(株価の高い)のグロース株主導でしたが、展開によっては、高配当のバリュー株主導の上昇となることもあります。この場合は、TOPIXの上昇が目立つことになります。
さて、米国の指標です。
上記の通り、当該期間のパフォーマンスは、
SOX指数 > NASDAQ > S&P500 > NYダウ という結果でした。
AI関連投資やデータセンター投資の活発化から、グロース株の上昇が目立ちました。
SOX指数は、半導体株の指数ですから、エヌビディアやブロードコムなど半導体株の値動きを反映します。NASDAQは、AI関連以外でも中小型を含めたグロース株の指数です。
S&P500は、構成銘柄が500銘柄で日本のTOPIXに近いイメージです。NYダウは、25銘柄だけで構成されています。ニュースで取り上げられることが多いですが、こちらも高株価の影響を受けやすい傾向、テスラやブドーロコムなどが組入れていない、消費や製薬などのバリュー銘柄の比率も高いという特徴があります。
最近の米国株の上昇も偏りがあります。
数年前からマグニフィセント7という大型グロース株の上昇が牽引してきました。
S&P500から上記の7銘柄を除くと、ほぼほぼ、株価指数は横ばいという分析もありました。
尚、これらの指数は、基本的にリバランス(入れ替え)があり、より定量的に優良な銘柄が組み込まれる傾向があります。NYダウには、現在、エヌビディアが組み込まれていますが、以前はインテルが組み込まれていました。
米国株式市場に関しても、日本市場と同様の傾向がありました。
一部の大型グロース銘柄が上昇を主導し、一般消費財や製薬、資源株などは冴えない展開でした。インテルやオラクルに集中投資された方はホクホクでしたね。
グロース株全般に言えることですが、上昇局面では大きく上昇する傾向がある一方、下落局面になると大きな下落を受けやすい傾向があります。
景気が悪くなると、企業の設備投資が抑えられますし、消費も冴えない展開になりやすいです。一方、製薬や一般消費財などは、不景気になっても、一定のニーズは存在します。
それらの背景からディフェンシブ銘柄と呼ばれる銘柄群は不景気には、相対期に強いとされています。
日米とも個人的には、それ程、景気が良いようには思えませんが、金余りやAIのイノベーション期待が持続していることが、今回の株式相場の活況につながっている気がしています。
以前のブログでも触れましたが、私は、関税の影響やグローバルな貿易量の縮小などの懸念から、早晩、大きめの調整が来ることを念頭に置いていたので、今回のブル相場のご利益に縁はありませんでした。
余計なことをせずに、日経225やNASDAQのインデックスファンドに投資し、継続保有していた作戦が成功した期間でした。
次回は、「利上げがされると・・?」の予定です。
当ブログは、毎週金曜日に更新予定です
金曜日が休日の場合は、お休みします。
いつもながら、投資に際しましては、自己責任でお願いします。
内容、ご相談に関しましては、株式会社 Noble principleまでお問い合わせください。
尚、HP下部にInstagramのリンクを用意させて頂きました。
基本的に毎日、日米の金融マーケットに関する投稿、不定期で投資やライフプランに関する投稿をしています。是非、ご覧ください。