私見、高配当株投資

 

 今年も残すところ僅かになってきました。

年末に向け、旧NISAの対応、新NISA枠の消化、損益通算など有価証券投資でも対応が必要な案件があります。また、ふるさと納税などの対処も検討しておきたいものです。

 

今回は、高配当株投資に関する私見です。

 

株式投資家にとって、配当収入は楽しみのひとつであると思います。

特に配当水準の高い高配当株は、個人投資家に人気があります。

 

基本的な話ですが、株式の配当は、企業の利益から支払われます。

利益に対する配当金の比率を配当性向と言います。(配当額/利益額)

企業は、配当後の手元資金を使って、企業は設備投資や研究開発を行います。従って、利益を全て、配当に回すと、成長に対する投資ができなくなってしまいます。因みにこの場合の配当性向は、100%です。

 

実際、高配当銘柄には、成熟企業が多く、必ずしも、積極的且つ大規模な設備投資や研究開発を行うことは稀です。(あくまでも超成長銘柄と比較してですが)

言い方を変えると、企業が成長投資を行わなければ、利益成長も限定されますね。従って、配当を得ることはできても、利益成長に伴う株価上昇はあまり、期待できないことがあり得ます。

 

金融の世界には、トータルリターンという考え方があります。

インカムゲイン(配当など)とキャピタルゲイン(値上がり益)を加えたものです。

米国のS&P500の上昇率は年平均5%から7%程度と言われています。

 一般論で言えば、配当利回り(インカムゲイン)が高ければ、値上がり期待(キャピタルゲイン)が限定されることがわかると思います。リサーチ機関の研究では、日本株式でも配当利回りが6%を超えるような銘柄のパフォーマンスは冴えないようです。配当が多ければそれはそれで投資家冥利ですが、利益が減じれば、配当も減配される可能性が高くなります。場合によっては、配当狙いで投資したのに、無配に陥ることも実際に少なくありません。

 

上記を踏まえると、配当利回り自体は、目安となりますが、余り高い数値を求めずに、2%から3%程度の水準がバランス良いように感じます。

 

企業決算は、3月/9月決算の銘柄が一番多く、次に6月/12月決算の銘柄と続きます。

 半期ごと配当の場合、決算後約3ヶ月程度で投資家の元に届きます。直近の例で言えば、11月後半から12月にかけて、9月決算の配当金が支払われます。また、12月26日までに、12月決算銘柄に投資すれば、配当の権利を得られ、来年の2月後半から3月に配当金が手に入ることになります。仮に3/9の銘柄と6/12の銘柄を保有した場合は、年4回、配当を手にすることができますね。また、業種ごとに決算期が似かよる傾向があり、6/12決算企業にはビール会社やタイヤ会社などがあります。

2/8決算には外食企業が多い印象です。配当や株主優待を意識した投資の場合、決算時期の異なる企業に投資することで、頻繁に配当や優待を受け取ることができますね。

 

さて、高配当株投資ですが、どんなタイミングが好ましいでしょうか?

 

配当利回りは、配当額/株価の関係ですから、配当が一定であれば、株価が低い方が好ましくなります。また、好決算で増配される場合は、株価が一定でも配当利回りは高くなります。その場合は、株価が上昇してしまうことが多いですが。。。

 

 個人的に高配当銘柄投資を意識するケースは、何らかのショックで株式市場全体が急落するような局面、昨年夏の日銀ショックや今年春の関税ショックのような場面です。良い銘柄も高配当銘柄も漏れなく急落しますから、事前に目をつけていた銘柄に投資するのは好都合です。また、決算後、内容が良くてもコンセンサスに届かず、株価が下落することも少なくありません。決算発表後、数営業日は不安定な値動きになりますが、中期的には株価は落ち着くことが一般的です。これらのケースの場合でも、一度に全力投資するのでは無く、数回に分けて投資することで取得単価が安定します。最近の例で言えば、味の素(2802)が決算発表後、ストップ安をつけました。それ程、売り込まれる内容とは思えませんでしたが、このようなケースがチャンスにつながることがあると思っています。

 

余談ですが、金融所得課税強化が検討されているようです。

現在、配当には、20.315%の税金がかかりますが、今後、30%程度に引き上げされる案があるようです。当初は、金融所得の多い方が対象になる案のようですが、税金の場合、対象の拡大がなされることが多いので要注目ですね。「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げた政権が、過去最高の税収にもかかわらず、増税されるのは、投資家としては釈然としませんね。

 

次回は、「今の株式市場はバブルか?」の予定です。

 

 

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