経済指標や企業決算の捉え方

 

今回は、経済指標や企業決算についてのコメントです。

 

 多くのアナリストやストラテジストの方々が、重要な経済指標や企業決算について調査、分析をされています。実際の数値が出ると、それらの予想に基づいて、金融市場が変動する訳ですが、良い数値なのに、市場がネガティブな反応を示すケースや悪い数値に見えても好感されるケースが多々あります。

 

これらをどう捉えたら良いのでしょうか?

 

例えば、企業の決算発表の場合、場中決算(取引時間中の決算発表)のケースがあります。

発表時間になると、その銘柄は売買が集中し、激しく乱高下します。そして、徐々にトレンドが形成され、買われるケース、売られるケースが出てきます。一見、良い決算に見えても、大幅安になることも少なくなく、私を含めて、個人投資家は右往左往しているようですね。

 

 機関投資家の場合、事前に精緻な決算の予想数値を見込んでいて、売買のシステム(AI関連や高度な発注システム)に、予想数値をインプットしておき、決算が発表になった瞬間に、AIなどにデータを読ませ、予想数値に基づいた発注をしているようです。私も以前は、該当企業のHPで、数値を確認する作業をしたりしましたが、手間と時間がかかります。

それよりも実際の株価が上下する方向を見た方が瞬時に評価がわかると思うようになりました。

 

通常の企業の決算発表は、取引時間の終わった15時以降にされるのが一般的です。

これも、翌営業日に実際の取引が始まらないと、評価は判断できない印象です。

増配、過去最高益を発表した銘柄が翌日、急落するケースも良くあります。

機関投資家の期待する数値に届いているかどうかがポイントになっていると思われます。

 

先日の米国の半導体大手、エヌビディアの決算も同様でした。

客観的に見ても、優れた業績でしたが、株価は短期的には冴えませんでしたね。

良い決算というのは、多くの投資家が想定していましたが、更に高い期待値を超過できたかどうかが、短期的な株価変動に反映されていると思われます。

 

この原稿を書いているのが、2024年9月18日です。

今夜、というか、明日の早朝、米国でFOMCの結果が判明します。

やや軟調な経済指標やインフレの落ち着きから利下げが予想されています。

 

今回は、従来と異なり、利下げ予想が0.25%と0.50%に完全に分かれているようです。

利下げ自体は、株価にポジティブに働きますが、仮に0.25%利下げだと、失望売りが出るかもしれませんね。0.50%なら良いかというと、FRBが米国の景気を深刻に見ていると捉えられると、株価は下落するかもしれません。おそらく、為替は、日米金利差を考慮すると、0.25%利下げの場合は、やや円安方向、0.50%利下げの場合は、円高方向に向かう可能性が高いように感じます。

 

これらも、あくまでも、私の個人的な仮説で、実際のマーケットがどのように動くかはわかりません。実際に動いた方向の意味合いを考え、自分自身で判別がつくようであれば、ポジションを取るようなスタイルになると思います。

 

現在、9月19日朝です。

FOMCでは、0.5%利下げが決定され、パウエル議長講演も終わりました。

結果、金融市場は、株価は乱高下の末、やや軟調、為替は円安方向に振れました。

私の仮説と異なる展開になりました。

0.5%利下げは、基本的に株式には追い風、為替面では日米金利差縮小で円が買われやすい構造は変わっていないと感じています。来週以降の展開を注視したいと思います。

 

金曜日には、日本で日銀金融政策決定会合の結果が判明します。

可能性は高くありませんが、仮に再度、利上げをすれば、円高が進行、株価が下落、かなり高い確率で市場が混乱すると思っています。

前回の利上げで、日本だけでなく、グローバルな市場が混乱しました。従って、それを経験した上で、同様の判断をするとは思いにくいのですけれど。

 

 このように、大きな経済イベントや企業決算の場合、私のような零細個人投資家も、仮説を立て、株価や為替にポジティブな場合、ネガティブな場合というようにイメージしています。

当然、想定したシナリオ通りに動くことは稀で、自分の判断に修正を加え、トレンドを判断するようにしています。前述の通り、FOMCの結果は、当日の値動きだけでなく、中期的な市場の反応を確認することも重要だと思っています。

 

 と言うことで、今回のまとめとしては、予測や仮説を立てることは大事なものの、実際のマーケットの動きに修正していくことが更に重要と思っています。効率的市場仮説ではありませんが、基本的に市場の値動きが正しくて、投資家は自分の見方を修正していく必要があると常日頃、感じています。思い込みは、大怪我のもとと自省しています。

 

次回は、「嗚呼! 万年割安株!」の予定です。

 

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