逆指し値の使い方

 

今回は、株式発注方法についてコメントしたいと思います。

 

代表的な株式の発注方法は二つあります。

 

「成り行き注文」:いくらでも良いから買いたい、売りたいという発注方法

「指し値注文」:いくら以下なら買い、いくら以上なら売りという価格指定の発注方法

「寄付き注文」:始値で約定する注文。成り行き注文に類似します。

 

どちらが良いかと言っても、ケースバイケースなので、何とも言えません。

 

 株価が瞬間的に急騰、急落するような局面では、株価が急激に変化するので、「指し値注文」では、価格変動に対応できないことが多く、「成り行き」注文の方が確実に約定できます。但し、希望の価格と約定した株価に乖離が出るのはやむを得ません。

 

 また、時間をかけて、買付けや売却をするつもりの場合は、「指し値」注文も有効だと思います。当日だけの注文、期間を指定した注文が可能です。

指し値が約定した後、買付け価格を下回ってしまうことや売却価格を上回って推移することも頻繁にあります。中長期の目線では、あまり気になりませんけれど。

 

特にキリの良い価格(例えば、1,000円とか2,000円)に指し値をすると買付けの時は下落へ、売却の約定の時は上昇へと、株価が動くことが多い傾向です。

 

 キリの良い価格には、多くの注文(売り注文も買い注文でも)があるため、その値段で約定した場合、売りが多いから約定できたのか(買い注文の場合)、買いが多いから約定できたのか(売り注文の場合)という背景から、期待と逆方向の値動きになるケースを良く目にします。1,000円で買えた場合、980円に下落するケースや1,000円で売れた場合に1,050円に上昇するケースなどです。

 

 従って、1,010円の買い注文(1,000円より少し上)や1,990円の売り注文(2,000円より少し下)の方が有効なケースが多いように感じます。もちろん、それでも買ってから下がったり、売ってから上がったりすることもありますけれど。それは運が悪いと割り切ります。

 

次に本題の「逆指し値」注文です。

 

最近は、ネット証券で、様々な注文形態が出てきていますが、「逆指し値」は、使い方によって有効だと思います。

 

「逆指し値注文」とは、買いの場合は、一定水準を株価が上回った場合、成り行き(指し値もあるかもしれません)で買い注文を発注するやり方です。逆に売りの場合は、一定水準を株価が下回った場合に成り行き(これも指し値もあるかもしれません)で売り注文を発注する方法です。

 

高く買ったり、安く売ったりすることに抵抗があるかもしれません。

とは言え、個人的には、一定の条件下での逆指し値の売り注文が有効に感じます。

 

逆指し値の買い注文の場合は、

株価が一定の範囲での値動き(ボックス圏とも言います)のケースなどで、節目の価格を超えた際、投資家の買い注文が増加することに着目した手法とされています。高い株価で買う訳ですが、更に買いが増加することに期待するアプローチです。

私は使ったことがありません。

 

一方、

逆指し値の売り注文の場合は、

株価が一定水準を下回った場合に、売却する手法です。

この手法は、時差のある米国株や日中、マーケットを見ることのできない方などに有効だと思います。これには二つのアプローチがあると思います。

 

1.これ以上、下落したらダメージが大きくなるからという損失確定の売却

2.含み益がある状態で、多少、下落しても利益確定できる状態での売却

 

1.の場合、個人的には、成り行きで売却してしまうので、使ったことはありません。

2.の場合は、前述の通り、常にマーケットを見ることができない状態だと、とても有効だと思います。そろそろ、売ってもいいかな?というタイミングで私は使います。

 

例えば、100円で買った株式が120円まで上昇したとします。

この場合、110円で逆指し値を入れて、その価格を下回った場合、成り行きで売却します。

109円か108円で売却できるイメージですね。とりあえず、利益は確保できます。

 

少し応用編ですが、100円で買った銘柄が120円になったとします。

その際に、上記の通り、110円で逆指し値を入れます。更に株価が上昇し、130円になった場合、逆指し値の水準を変更し、120円に訂正します       。(手間はかかりますが、)

そうすることで、利益確定の目処を110円から120円に伸ばすことが可能となります。

下落しなければ、放置です。

 

日本市場もそうですが、米国市場の場合は、時差があり、何らかのアクシデントで株価が急落する局面もあり得ます。睡眠中や仕事中だと対応できませんね。

 

尚、私の場合は、逆指し値注文する際、継続保有したい銘柄の場合は、全て売却するのでは無く、一部を注文し、更に下落したら買い戻すことを前提にしています。

 

逆指し値は、常に発注しておくというよりも、マーケットがやや不安定な局面や急騰して利益確定売り優勢で当分、軟調な展開になりそうな局面が特に有効だと感じています。

 

 また、超短期投資(デイトレードやスキャルピングなど)の場合でも逆指し値をされる方も多いようです。この場合も、キリの良い価格での発注が多い印象があります。株価の値動きを見ていると、「逆指し値狩り」と呼ばれる大口の売り注文が出るケースも見られます。一定水準を下回ることで、株価が逆指し値の売り注文を誘発し、株価下落が加速する現象です。

一時的な株価の急落の理由のひとつかな?と感じます。

 

 短期トレードの場合、損失確定の重要性は言うまでもありませんが、画一的に逆指し値を使うことのリスクを感じたりします。それを逆手にとって、逆指し値狩りで値下がりした局面で買い注文を入れ、リバウンドを狙うという手法も考えられますね。

 

 まとめになりますが、「逆指し値」の売り注文を有効に使うことで、仕事中や睡眠中、休暇中のリスクを一定程度、軽減できると感じています。もちろん、通常の「指し値注文」も有効であることは変わりありません。

 

できれば、

 

・キリの良い価格は使わない

・十分な含み益の場合の「逆指し値注文」一部、発注での利益確定も検討

・逆指し値の価格変更を意識する(指し値注文の変更も同様です)

 

皆さんの投資活動の一助になれば、幸甚です。

 

次回は、「新NISA投資枠復活の注意点」の予定です。

 

当ブログは、毎週金曜日に更新予定です。

いつもながら、投資に際しましては、自己責任でお願いします。

内容、ご相談に関しましては、株式会社 Noble principleまでお問い合わせください。

 

尚、HP下部にInstagramのリンクを用意させて頂きました。

基本的に毎日、日米の金融マーケットに関する投稿、不定期で投資やライフプランに関する投稿をしています。是非、ご覧ください。