零細投資家日記 2023-1Q

 

 私事ですが、昨年の秋より、時間を見つけて、デイ・トレードを中心として信用取引を始めました。

 

今週は、その中間報告的なものをお伝えします。

 

一応、運用会社や証券会社勤務経験があるのですが、なかなかうまくいきませんね。

 

ここ数年、専業投資家の存在感もSNSなどで増しています。

少ない資産からの成功例も良く目にします。事実かどうかは別としても。

 

今回は、以下に私が把握している投資手法を交通整理してみます。

基本的には、信用取引メインという前提でご覧ください。

 

 

◆中期投資(スイング・トレード):数日から数週間を目処に投資するアプローチ

 

 数日以上保有するので、海外市場の上昇下落の影響は避けられない

 上昇トレンドの銘柄に投資できると、比較的大きな値幅の利益獲得が可能

 突然の金融不安などが発生すると大きなダメージを余儀なくされる

 ※現物取引の中長期投資も類似の投資手法ですね。

 

◆デイ・トレード:基本的に当日中に決済をするアプローチ

 

 当日に決済するので、海外市場の上昇下落の影響は限定的

 短期の株価変動は需給に依存するケースが多いので、継続的な利益獲得が難しい

 高い勝率でも小さな利益と大きな損失のパターンに陥るとトータルリターンが悲惨

 損失確定がとても重要

 ※信用取引は、投資枠の範囲でポジションを外すと、枠が復活するという特徴があります。

 ⇒別の言い方だと、何度でも繰り返し取引が可能と言うことです。

 

◆スキャルピング・トレード:数円(小さな)の値幅を狙い、頻繁に取引をするアプローチ

 

 数分単位での取引が主体

 損失確定がとても重要

 ボックス圏での値動きでは効果的なものの、下落局面ではドツボにはまりやすい

 ※こちらの取引も資金拘束の関係から、信用取引が主体になると思います。

 

私は、以前の金融機関勤務の時は、保有期間などの一定の投資制限があったため、必然的に中長期投資のスタンスでした。現在は、短期売買を含め、色々な可能性を探っている状態です。

 

日常的なサイクルを列挙してみます。

 

・米国株式市場をチェック、どのようなセクターが買われたか、売られたかを確認

・米国経済指標の確認(雇用統計や消費者物価指数など)

・米国市場での日本株ADR(預託証券)の変動を確認

・為替、金利、原油価格、金価格などの値動き確認

・株価変動に影響を与えそうなニュースの確認

・証券各社の株価レーティングの傾向の把握

 

これらは、証券会社や運用会社に勤務していた時からの習慣です。

もっとも、情報を収集して整理しても、ダメな時はやっぱり、ダメですね。

 

とは言え、現物の中長期投資や投資信託への投資の場合、これらを把握することで、トレンドの方向や投資家心理の状態が把握できるので、無駄ではないと感じています。

 

が、短期トレードで活用される信用取引の場合は、損失に対するリスク管理が現物以上に重要になり、傷口を広げない為の損失確定も避けられません。

 

以下は、各取引手法やリスク管理などに関しての私見です。

 

【デイ・トレード】

 

基本的に当日に決済するので、海外市場の影響を直接的には受けません。(前日の米国市場が大幅下落しても、その後から取引するという意味合いで)

しかし、難しいのは、米国株が高く、日経225先物も高い時は、当然、株価も高く始まります。買いポジションの場合は、それ以上に高くならないと収益チャンスがありません。当然、高値つかみのリスクが少なくありません。売りポジション(空売り)の場合も、別の難しさがあります。

 

また、短期投資の場合、個別株の需給やチャートに注目して取引をされている方も多いようですが、このアプローチも損失確定と利益確定をうまくコントロールしないと成果に結びつかない印象です。細かく利益確定しても、ちょっとしたタイミングで大きな損失を被ることが少なくありませんでした。

 

特に最近は、AIを活用したアルゴリズムに基づく取引が多いようで、瞬間的に株価が大きく変動することがあります。損失確定のタイミングを逸するケースですね。

 

 

【中期投資(スイング・トレード)】

 

中期投資は、従来からある程度、慣れてはいたのですが、今年の信用不安のような展開が海外で生じると現物でも信用でも大きな影響が生じます。外部要因による株価上昇も下落も受け入れる前提の中期投資ですから、やむを得ないところですか、マーケットのボラティリティが大きい局面では、より影響が大きくなる印象です。特に信用取引でポジションを持っている場合、一日で含み益から大きな含み損に転じるケースを想定する必要があると感じています。

 

実際に3月の金融不安の際は、含み益が無くなるだけで無く、あっという間に含み損に転落しました。教訓として、信用取引の場合、大きめのポジションはできるだけ翌日に持ち越さない、利益確定は迅速に、ということを思い知らされました。

 

 

【スキャルピング・トレード】

 

数円単位で売買する手法です。

短期取引の投資家の方々が使う手法のひとつです。

 

信用取引の買いでも売りでも、対応できる手法ですが、やはり、逆に動いた場合の処理が難しいですね。特に大きな注文が入り、数円、数百円(数ティックとも言います)以上、一気に値段が動くと損失確定が大幅に遅れ、損失が拡大するケースがあります。大型株を投資対象にすれば、影響はある程度少ないと思われますが、銘柄ごとの特徴を掴む必要を感じます。

小さい利益を積み上げる手法なので、大きなロスが発生すると、トータルでのマイナスは避けられません。

 

 

【損失確定】

 

どの手法でも共通するのが、損失確定の重要性です。

信用取引の場合は欠かせないポイントで現物の中長期投資と異なる点です。

 

証券会社勤務で以前、自己売買部門(ディーラーと言います)で業務をしていた知人と話しをしたことがありますが、ナンピン(逆に行った場合の追加投資)は、厳禁と言っていました。投資する前から、株数を確保するために買い下がり、または買い上がりする場合は、別ですが、上がると思って下がった場合は、損失確定をしてから、再度、投資するかどうかを判断すべきとアドバイスをもらいました。実際、妥当だと認識しています。

 

基本的には、投資する前に株価が幾らまで下落したら、または、含み損が一定水準になったら、損失確定するかをザックリでも決めるようにしています。また、複数の価格帯で投資した場合、損失確定は損失が大きいものから優先的に処分するように心がけています。現物株の中長期投資の場合は、神経質になることはないと思いますが、信用取引を行う場合は、投資可能枠に対する建玉の割合や含み損の額など、リスク管理が重要になりますね。但し、中期投資のスタンスの場合は、含み損をある程度、許容しているので、損失確定が遅れるケースが少なくありません。

 

 

【投資成果】

 

色々と試してみましたが、デイ・トレードやスキャルピングは、条件が揃わないと、なかなか、利益を積み上げることや継続して利益を確保することが難しい印象です。心理状態やリズムが関係するのかもしれません。含み損の状態を我慢することで、多少、勝率は上がりますが、大きな損失に至ることも少なくありません。冒頭のように、米国株式市場の値動きを念頭に銘柄選択した場合、どうしても米株が高かった場合、買い目線で銘柄を見てしまいます。しかし、その場合でも、高く始まった始値から下値を切り下げるような展開も少なくなく、トレードしてもトレードしても、負けが続いたこともありました。

 

中期投資に関しては、現物でも信用でも2023年の前半は、好調な時期もありましたが、欧米の金融不安で一気に状況が悪化しました。昨年後半から鉄鋼株や銀行株、商社株などが上昇する相場展開でしたが、金融不安の後は、流れが大きく変わり、含み損も実現損も膨らみました。順調に行っていても、何らかのショックによって、一瞬で、それまでに積み上げたものが消えてしまいます。小さな調整だと思っていても、実は大きめの調整だったりすると、損失確定や利益確定が遅れてしまいますね。

 

また、信用取引の際、含み益が出ている銘柄に関して、欲を出して翌日以降に持ち越したところ、海外要因から一晩で含み損に転落したこともありました。現物は大きな値上がりを期待しますが、信用取引は、ある程度、適切な利益確定が重要だと思い知らされました。

 

4月上旬の時点では、3月の急落のダメージが回復していない状況です。年初来でもマイナスに沈んだままです。

 

毎日のように反省が続く日々です。

反省点をメモに残して、自分自身、反芻していますが、なかなか、上達しませんね

 

専業投資家の方は別として、株式の取引自体、毎日する必要はありませんし、本業をお持ちの方が信用取引で大きなポジションを持つ必要もないように思います。

「休むも相場」という投資格言を再確認する毎日です。

 

米国では、厳しい景気指標が相次ぎ、インフレ懸念と異なるリスクオフが進行しています。また、金融不安も払拭された訳では無く、当面、厳しい相場展開が想定されます。

 

精進が続きます。

 

来週のブログは、「インデックスファンド(株式編)に思うこと」の予定です。

 

 

当ブログは、毎週金曜日に更新予定です。

いつもながら、投資に際しましては、自己責任でお願いします。

内容、ご相談に関しましては、株式会社 Noble principleまでお問い合わせください。

 

尚、HP下部にInstagramのリンクを用意させて頂きました。

基本的に毎日、日米の金融マーケットに関する投稿、不定期で投資やライフプランに関する投稿をしています。是非、ご覧ください。