12月決算銘柄配当狙い投資

 

早いもので、師走入りです。

 

 株式投資に関しては、「掉尾の一振」という年末高の格言があります。

米国の景気動向や利上げ、中国景気などのリスク要因は少なくありませんが、12月の株高を期待したいところです。

 

12月は、3月の次に決算が多い月です。

配当や株主優待の権利確保が可能な月でもありますね。

今回は、12月決算銘柄に絞った配当狙いのポートフォリオを考えてみます。

 

尚、今年の12月は、権利付き最終日が12月28日(水)です。また、12月30日(金)が日本株の最終売買日で大納会となります。

 

株式の配当や優待は、権利付き最終日の保有者に権利があります。言い方を変えると、12月28日だけ、保有することで配当や優待の権利を確保できます。もっとも、翌日は、配当相当分の権利落ちが発生するため、株価は配当金相当額を減じた水準からスタートします。

 

株式投資は価格変動が伴うため、評価損や実現損も避けることは難しいですが、配当は、プラスのリターンとなります。もちろん、減配や無配企業を避けることが重要ですが、過去の配当実績と業績推移、業績見通しをチェックすれば、減配リスクを避けることも可能だと考えています。

 

また、今年のNISA投資(国内株の場合)も、12月28日が最終日となり、あわせて、配当や優待の権利も確保できます。基準日は、受け渡しベースとなりますので、投資信託や外国株式の場合は、スケジュールが異なりますので、要確認です。駆け込みのNISA投資が多ければ、高配当株式の上昇要因になるかもしれません。

 

12月決算の投資候補ですが、業種では食品業界やゴム業界などに属する企業は、12月決算が多いですね。

 

 複数銘柄に投資する場合は、できれば業種を分けること、為替の影響を考慮すること(円高がプラスの企業と円安がプラスの企業など)、内需企業と外需企業をわけることなどを念頭に選択したいものです。どれかがうまくいかなくても、他の銘柄が健闘してくれるという考え方です。但し、12月決算銘柄は3月決算銘柄と比較して、業種がやや偏っているのでバランスを取るのが難しい面もありますね。

 

主な企業を四季報ベースで参考に紹介しますが、いつも通り、投資は自己責任となりますので、ご承知ください。尚、株主優待についても、少しコメントしていますが、内容に関しては各社HPなどで各自、ご確認ください。

 

おまけで、独断の100万円位ポートフォリオと300万円位ポートフォリオを作ってみました。固定的に考えずに、業種分散の上、株価急落時などに投資を検討したいところです。

 

 

【12月決算企業一例】

 

コード 銘柄名 業種 11月末株価 投資単位(円) 年間配当
(実績)
予想
配当利回り
備考
1605 INPEX 鉱業 1,533.0 153,300 58 3.78% 長期保有優待
1911 住友林業 建設業 2,371.0 237,100 105 4.43%
2502 アサヒGHD 食料品 4,398.0 439,800 110 2.50% 優待あり
2503 キリンHD 食料品 2,165.0 216,500 65 3.00% 優待あり
2914 JT 食料品 2,815.5 281,550 150 5.33% 22年12月が最終
3436 sumco 金属製品 2,023.0 202,300 60 2.97%
4452 花王 化学 5,461.0 546,100 146 2.67% 連続増配銘柄
4631 DIC 化学 2,506.0 250,600 100 3.99% 優待あり
4911 資生堂 化学 5,799.0 579,900 55 0.95% 長期保有優待
5105 TOYO TIRE ゴム製品 1,567.0 156,700 86 5.49%
5108 ブリヂストン ゴム製品 5,167.0 516,700 170 3.29%
7718 スター精密 機械 1,755.0 175,500 59 3.36%
7751 キャノン 電気機器 3,212.0 321,200 115 3.58%
8060 キャノンMJ 卸売り 3,110.0 311,000 85 2.73%
9147 NIPPON EXPRESS 陸運業 8,090.0 809,000 250 3.09% 日本通運

 

 

【各社概況】

 

◆INPEX(1605)石油・ガス開発生産国内最大手。

業績は、原油高もあり、連続最高益の見通しですが、中国の景気低迷による原油価格下落に注意が必要です。株主優待はありますが、400株以上で1年以上の長期保有が条件です。

 

◆住友林業(1911)木材卸、注文住宅、米豪での海外住宅事業が柱。

業績好調ですが、米国利上げによる住宅市場への影響が出てくることが考えられます。

 

◆アサヒグループHD(2502)アサヒビールを傘下に持ち、ビール類国内シェア首位級。

原材料価格上昇が利益を圧迫しますが業績は順調です。12月は、株数に応じて優待があります。

 

◆キリンビールHD(2503)キリンビールを傘下に持つHDです。

原材料高は、値上げやコスト削減で対応し業績は安定しています。この銘柄も12月は、株数に応じ、優待があります。

 

◆JT(2914)タバコ事業が中核ビジネスです。

円安効果はあるものの、タバコ販売の数量減少が続きます。ロシアに力をいれている企業なので、その点も注意です。優待も人気がありましたが、2022年12月が最後となります。

 

◆SUMCO(3436)半導体用シリコンウエハ事業です。

業績好調ですが、株価の値動きにクセがあります。また、半導体市況の影響を受けます。

 

◆花王(4452)トイレタリー国内首位企業です。

原材料価格上昇や中国景気減速から、業績は停滞気味です。連続増配銘柄として、投資家には、知られている企業です。とは言え、配当水準は高くありません。

 

◆DIC(4631)インキで世界首位企業です。大日本インキが旧社名です。

業績は低迷気味ですが、株価は織り込んでいるのか、横ばいが続きます。株主優待は100株から権利が確保できます。

 

◆資生堂(4911)化粧品国内大手企業で中国にも力を入れています。

中国都市封鎖の影響などから、大幅減益です。1年以上保有が条件ですが、株数に応じた株主優待があります。かつて、インバウンド景気の時は株価が上昇しました。

 

◆TOYO TIRE(5105)タイヤ国内第4位企業で、北米の大型SUVに強みがあります。

業績、株価は横ばいです。

 

◆ブリヂストン(5108)タイヤの世界首位企業でグローバル展開をしています。

業績は安定していて、増益が続いています。株価は、比較的、緩やかな値動きです。

 

◆スター精密(7718)自動旋盤などの工作機械の企業です。

工作機械は米国の医療機器向けや欧州、中国の自動車向けなどで伸びており、業績好調です。

 

◆キャノン(7751)カメラ、複合機の最大手企業です。

 

◆キャノンマーケティングジャパン(8060)キヤノン製複合機やカメラなど販売会社です。

増収増益基調が続いています。

 

◆NIPPON EXPRESS ホールディングス(9147)傘下企業は日本通運です。

営業利益の水準は一服気味です。

 

 

おまけの100万円(位)モデルポートフォリオ

注)JTの優待は、2022年12月が最終です。

コード 銘柄名 業種 11月末株価 投資株数 投資金額 年間配当
(実績)
トータル利回り 優待
1911 住友林業 建設業 2,371.0 100 237,100 5,800
2914 JT 食料品 2,815.5 200 563,100 30,000
7751 キャノン 電気機器 3,212.0 100 321,200 11,500
1,121,400 47,300 4.22%

 

もうひとつ、おまけの300万円(位)モデルポートフォリオ

▲INPEXの優待は、長期保有、400株以上が条件です。

○キリンHDは、100株以上で優待の権利獲得ができます。

注)JTの優待は、2022年12月が最終です。

コード 銘柄名 業種 11月末株価 投資株数 投資金額 年間配当
(実績)
トータル利回り 優待
1605 INPEX 鉱業 1,533.0 400 613,200 23,200
1911 住友林業 建設業 2,371.0 400 948,400 42,000
2503 キリンHD 食料品 2,165.0 100 216,500 6,500
2914 JT 食料品 2,815.5 300 844,650 45,000
3436 sumco 金属製品 2,023.0 200 404,600 12,000
3,027,350 128,700 4.25%

 

 

 

次回は、「物価上昇を考える」の予定です。

 

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