3月末の株価変動に要注意!

 

まもなく、今年も3ヶ月が経過し、3月末を迎えます。

ご存じの通り、日本企業は、3月決算が多く、株式市場にも様々な要因で大きめな変動があるかもしれません。

 

平穏に3月末を過ぎることも考えられますが、今回は、予想される変動要因についてコメントしてみます。

思った以上に株価が上昇、下落することも視野に入れたいところです。

そうなると、買いそびれる、売りそびれる可能性も出てきますね。

 

思いつくだけでも以下の項目があります。

 

■企業の決算対策の売り

■年金のリバランスの売り

■ヘッジファンドなどの益出し

■ヘッジファンドのポジション構築

◇配当権利取り、優待権利取りの買い需要

◇日米金融政策の株価への影響

 

 

■企業の決算対策の売り

 

上述の通り、日本企業は3月決算が多く、金融機関や事業会社は、有価証券を保有していますから、営業外利益計上などのために有価証券売却の可能性があります。但し、通常は決算の1ヶ月程度前には対応済みで、3月後半は微調整と思われます。

 

 

■年金のリバランスの売り

 

年金は、資産配分を決めており、それを超過した場合(日本株が上昇して予定の資産配分を超過した場合)、一部売却し、バランスを基に戻す投資行動を取ります。従って、国内株、外国株、国内債券、外国債券というパターンで言えば、25%ずつということになり、超過分の売り圧力が生じます。また、3月、6月、9月、12月は情報開示の必要性からリバランスを積極的に行うことが考えられます。一定の売り圧力が生じますね。

 

 

■ヘッジファンドなどの益出し

 

既に保有しているポジション決済に関する投資行動です。

ここでの対象は、ヘッジファンドや証券会社の自己売買部門をイメージしています。

このような投資家の場合は、売却による益出し(損切り)だけでなく、買付けによる益出し(損切り)も考えられます。株式先物を売建てした場合や現物の株式を売建てした場合、買い戻しする必要が生じるケースでは、株価上昇要因になります。もちろん、株式先物を買建てして売り返済、株式現物を買建てして売り返済する場合には、株価下落要因になります。

最近の日本株上昇要因のひとつに、先物やオプションを絡めたショートカバー(買い戻し)が少なくないように感じています。3月末は、ケジメのタイミングになるので、決済されるポジションが多くなり、買い需要、売り需要とも大きくなると想定されます。

どちらが優勢かは、何とも言えませんが、日経225で言えば、ファーストリテイリングやソフトバンクG、東京エレクトロン、アドバンテストの株価変動(指数に対する寄与度が大きい点で)に注目です。

 

 

■ヘッジファンドのポジション構築

 

こちらは、新たなポジション構築に関する点です。

後述の通り、新NISAもあり、高配当株の権利取りの買い需要が盛り上がることが考えられます。買い需要がピークになった時点で(株価が一時的な高値をつけた時点で)ヘッジファンドが空売りのポジションを取り、株価下落を狙う戦略も想定しておきたい点です。2024年3月の権利付き最終日は、3月27日ですが、権利落ち日の3月28日以降に、配当落ち分(日経225換算で約250円程度と言われています)以上の下落を狙い、投げ売りを誘発する投資行動も考えられます。ここ数年、特に高配当株に関して、配当落ち後に大きめな下落を見かけることがありました。逆に、次の配当を受け取る権利は先になりますが、大幅下落銘柄があれば、投資のチャンスと捉えることもできるかもしれません。

 

 

◇配当権利取り、優待権利取りの買い需要

 

今年の3月は、新NISAがスタートして、初めての3月の権利確定となります。

つみたて枠では、グローバル株式が主戦場になっていますが、直接的な為替リスクのない国内株の配当狙いの資金流入(成長投資枠で)が考えられます。前述の通り、それを逆手にとるヘッジファンドなどの存在も考えられますが、実需の資金がどれだけ流入するか、注目です。

もちろん、資金流入が大きければ、株価の上昇要因となります。

 

 

◇日米金融政策の株価への影響

 

マーケットへの影響が懸念されていた日銀金融政策決定会合、FOMCとも無事通過でリスクオンが加速しました。米国は、今年、3回程度の利下げの可能性に言及されました。米国の金利動向が次のポイントになるように感じます。10年債が4%程度の水準を安定して下回ってくると、株式市場は好感すると思っています。

投資家心理好転で、買い需要が高まり、売り需要を上回ることも視野に入ります。

 

 

 いずれにしても、3月末のタイミングは、機関投資家も個人投資家も売買の需要が高まります。イレギュラーな株価変動もあり得ますので、注意しながら対処したいところです。

 

 米国は、昨年秋から、日本は今年の前半から、調整らしき調整無しに大幅に上昇してきました。過熱感は否めませんので、大きめの調整リスクも念頭に置いておきたいところです。

 

 

次回は、「他の方のSNS投稿の印象」の予定です。

 

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