日経平均株価指数の上昇が際立ちますね。
とは言え、幅広く買われているわけではなく、不安定さも感じています。
今回は、以前、Instagramに投稿したコンテンツをアップデートして紹介します。
ご存じの通り、「S&P500指数」は、米国を代表する株価指数です。
その指数から一部の銘柄を除外したものが、俗称「S&P495指数」です。
S&P500指数は、市場規模、流動性、セクターなどが考慮され、NY証券取引所、NASDAQに上場および登録されている500銘柄を時価総額で加重平均し指数化したものです。米国株式市場の約8割の時価総額を占めており、各種インデックスファンドも国内でも設定され、個人投資家に人気がある商品で、NISAや積立NISAでも販売上位になっています。
具体的には、アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット、テスラ、メタ、エヌビディアなどの銘柄がS&P500指数の構成上位を占めています。
因みにNYダウ工業30種(一般的にNYダウと呼ばれている指数)は、30銘柄です。銘柄数が少ない印象も感じます。構成は新旧代表的な銘柄ですが、上記のS&P500指数上位構成銘柄では、アップルとマイクロソフトだけが採用されています。また、NASDAQ総合100指数は、グロース系の銘柄が主体で上記の銘柄が採用されています。
NYダウやS&P500指数には、ディフェンシブ銘柄と呼ばれる生活必需品や製薬会社も組み込まれており、景気後退局面などでは、下落の歯止めになる一面もあります。一方、イノベーションが進展したり、金利が低下したりして、グロース株中心の上昇相場になると、俄然、NASDAQの優位性が際立つ特徴があります。
過去のパフォーマンスは、どの指数も素晴らしく、米国の代表的な指数であるS&P500指数のインデックスファンドに長期投資すれば、大きな資産を築けたとするコメントを良く見かけますね。もちろん、これは事実なのですが、もう少し、深掘りすると異なる景色が見えてきます。
米国株高を牽引してきた銘柄を考慮するとどうでしょうか?
S&P500指数から、GAFAMと呼ばれる米国時価総額トップ5の「アルファベット(グーグル)」、「アップル」、「アマゾン」、「マイクロソフト」、「メタ(旧フェイスブック)」を除いたものが、俗称S&P495指数です。チャートを見てみると、S&P500の素晴らしいパフォーマンスに対して、S&P495指数は、TOPIXと同水準の推移となっています。
GAFAM+テスラの凋落 NISAは米国株の投資信託一辺倒でいいのか(1/2)〈AERA〉 | AERA dot. (アエラドット) (asahi.com)
(アエラ記事より)
少なくとも、過去においては、上記の銘柄群が米国株式市場上昇の牽引役だったことがわかります。言い方を変えると、S&P5指数(存在しませんけれど)に投資できていれば、更に凄いことになっていましたね。個別株投資で成功された方もいらっしゃるかもしれません。
しばらく前ですが、上記銘柄に数銘柄を加えたインデックスファンドが誕生しました。
iFreeNEXT FANG+インデックス / 大和アセットマネジメント株式会社 (daiwa-am.co.jp)
大和アセットマネジメントの「iFreeNEXT FANG+インデックスファンド」という商品です。
組入れ銘柄を見ると、メタ、マイクロソフト、アマゾン、エヌビディア、アルファベット、アップル、ネットフリックス、スノーフレイク、AMD、テスラという10銘柄で、そうそうたるメンバーです。信託報酬は、税抜き0.705%とオーソドックスなインデックスファンドよりも高いものの、アクティブファンドと比べると、良心的な水準です。4月末基準で年初来のパフォーマンスが38.4%、2018年1月末の設定来パフォーマンスは179.1%です。
スノーフレイク、AMDは、銘柄入れ替えで最近、組入れられたようです。
2018年設定なので、それ以前の株価上昇の恩恵はなかったものの、好調なパフォーマンスであることは事実ですね。
ここで考えてみたいのは、過去の実績が将来を約束するものではないという事実です。
どういう意味かと言うと、上記銘柄は、様々なイノベーションを通じて、株式時価総額を増大させてきました。しかし、これから将来に渡って、更に時価総額増加、換言すれば、株価上昇が継続するか否かは、期待感はあるものの、何とも言えません。確かに「Chat GPT」など、新たなイノベーションの息吹が生じています。とは言え、10年後の時価総額ランキングが大きく異なっていることは、当然、考えられます。もしかすると、S&P500指数組入れ銘柄の中からスター銘柄が生まれるかもしれませんし、場合によっては、新しく組入れwされる銘柄がスター銘柄になるかもしれません。
投資家目線でどのインデックスを投資対象と考えるかを検討すると、やはり、S&P500の妥当性が高いように思います。グロース株もバリュー株も指数に組み込まれており、個人的には、もっともベーシックな指数だと思います。それをベースとして、好みで個別株や上記ファンドなどを加えることで、オーダーメイドのポートフォリオを完成させることができると思います。
また、別の考え方として、「FANG+」の銘柄群の利益成長鈍化が見えるまでは、これらにベットしてみるというものもありますね。但し、企業規模が大きくなって、一定分野での占有率が高くなると、M&Aなどを行う際に米国の独禁法(反トラスト法)に抵触し、積極的な企業活動に制約がかかる可能性も考えられます。
一般的に、企業規模が大きくなり、成長期から成熟期に向かうにつれて、利益成長率は鈍化する傾向があります。利益水準が大きくなっても規模が大きくなると分子分母の関係でやむを得ません。一方、投資の観点では、小型株の方は利益成長が高く、安定して持続しれくれれば、お宝銘柄になる可能性があります。これらも結果論なので、なかなか、切ない判断になってきます。
今回、取り上げたS&P500指数に限らず、各インデックスではこのように特定の銘柄の寄与度が大きいケースがあります。次回、振れますが、日経平均がバブル後、最高値を更新しても、個別銘柄では冴えないものも少なくありません。中級者以上の方は、それらを踏まえて、濃淡をつけた投資判断も有効だと思いますし、初心者の方は、リテラシー向上に努め、それまでは、S&P500指数メインの投資で良いように感じています。
次回は、「日経平均バブル後、最高値!」の予定です。
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